シネつう!
JAPAN STYLE !!

宇宙兄弟
2012年制作

満足度:

小山宙哉の同名コミックを原作に、日本人初の月面歩行者となる弟とJAXAの飛行士試験を受験する兄の姿を描いたドラマ。

原作は未読だけどアニメ版は導入部を見ているので、なんとなく原作のノリは分かる。
そういう意味で、イヤミのない爽やかなヒビトを演じる岡田将生と、序盤でいまいち冴えないムッタを演じる小栗旬の組み合わせはなかなか妙であるかな。
夢を忘れそうになっていた兄が先を行く弟の影響で再びそのレールに乗ろうとする姿も、ネガティブさを感じさせないまっすぐな話で、観ていても悪い感じがしない。
あとバズ・オルドリンが本人役で出演していたけど、これは少し驚いた。
でもよく考えたら「トランス・フォーマー3」にも出ていたから、サービス精神のある人なんだろうねw

個人的にはJAXAの選抜試験の様子などが描かれるところが興味深かったけど、そういう部分は割とリアリティもあってドラマ部分を支えている気がする。
NASAでも実際に撮影をしているようで、画面から伝わる雰囲気はかなりいいし、特に有人ロケット・アルテミスの発射シーンはそのVFXの出来も満足いくものだったと思う。
重量感とか、発射煙の勢いもかなりリアルで、日本のVFXでもだいぶ満足いくのができるじゃないかと感心。
(エンディングでの発射は少しリフトオフが軽かった気はしたけど、中盤のは完璧。)

とまあ全体的な雰囲気は悪くなかったのだけど、一部考証で気になるところがあったんだよね。
月面でクレーター内の影が伸びる速度が速いことと…、そして月面で窮地のヒビトが、目の前に地球が昇ってくる光景を見ること。
他の描写が割とリアルなだけに、個々の根本的な科学考証のウソが目について仕方がなかった。
ドラマチックな演出を優先したんだろうけど、そういう小さいウソでも、科学に立脚したストーリーの中でやられると、ヘタをしたらほんとに台無しになるところ。
おそらくは地球的な感覚で考えた光景で情景を考えたのだろうけど、結局脚本家の想像力は地球から離れていなかったという証左になってしまって、個人的にはその部分が残念だった。


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