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'83年の「完結編」から26年ぶりに制作された劇場版5作目の「宇宙戦艦ヤマト」。
銀河中心部のブラックホールから生き物のように伸びて地球に向かいつつあるカスケードブラックホール。
地球滅亡が避けられないと悟った人類は、別の惑星系であるアマールの月に移住するために大掛かりな移民船団を送り出すが…。
いくら四半世紀ぶりだからといって、このような続編を作られるとガッカリを通り越すわけだけれど。
まず目に付くのはキャラクターデザインの違いか。
それが作風にプラスに作用しているかはともかく、気に入らないのは回想シーンで躊躇なく「完結編」の映像を使ってきたところ。
作風を統一させようなんていう気概が微塵も感じられない。
古代も真田さんも全然風貌が違うじゃないか。
そのくせ佐渡先生とアナライザーはオリジナルデザインに準拠とは、ポリシーはないのか。
ヤマトのデザインは完成しているのでCGになっても良いとは思うのだけど、6連発波動砲はやはりいただけない。
バカスカ撃ちゃ良いってもんじゃないよ!w
相変わらず(敵も味方も)ほぼ戦略なしの正面突撃と特攻とで何とかしてしまうのはヤマトらしいけれど、俺が観たいのはこんなものなのかと鑑賞しながら疑問に思ってしまう始末…。
それにしても今作の敵である大ウルップ星間国家連合の中心国家・SUSって、明らかにアメリカをイメージしてるよなあ。
何かをモデルにするのはダメとは言わないけど、今作ではSUSがあまりに短絡的な悪なのでどうも制作側の思想が透けて見える様で良い気持ちはしない。
古代にしても、船団を預かっているとはいえ、一戦艦の艦長でありながら敵国家への宣戦を布告したり殲滅を宣言したりと「そんな権限が君にあるのか?」と疑問に思わざるを得ない。
なんか終始違和感ばかりが残ってしまった。
そんな感じなので、終盤にSUSの正体とかが分かっても「もうどうでもいいよ」みたいなテンションになってたし…。
でもこの映画の最大の違和感は、THE ALFEEの歌う「宇宙戦艦ヤマト2009」だけどね。
あれはホントにヒドい。
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