海上自衛隊のイージス艦を乗っ取り、日本政府に対して要求を突きつける某国工作員と、艦を取り戻そうと奮闘する先任伍長の戦いを描いた作品

原作は読んでないんだけども、冒頭で論文「亡国のイージス」が語られるところでかなり惹かれるモノを感じた。
「唯一のイデオロギーであった『恥』という概念も捨て去り、世界に向けて主張出来る価値観などとうに無くしたこの国。」
「国を守るという事の本質は何か？」
極めて今の日本的なテーマだと思う。
はっきり言って、愛国心を盲目的に煽る某国ではこのテーマの作品は出来まい。
自国を守ることに対しての疑問なんてねえ。

そういった主張に凄く惹かれたんだけども、どうも後半ブレがあるような気もする。
もはやそういった国防論ではなく、オヤジ達の熱いドラマになっていく。
いや、オヤジ達の熱いドラマも好きなんだけどねｗ

おそらく原作の要素を入れようとするあまりに、ちょっと人物描写が薄くなったのかも知れない。
写真とか回想とか、原作を読んでいる人にはピンと来るカットが多数有るんだろうけど、映画だけ観るとちょっと伝わりにくかった。
そういうところは残念かなあ。
多分それをやると上映時間が４時間近くになるんだろうけどね。

期待してた水上戦闘は前半にしかなかったけど、緊迫感があって良かった。
海自独特な号令もニヤリとするｗ
自衛隊全面協力だけはあるわな。

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