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最初に言っておくと、そんなに好きな作りの映画ではなかった。
テーマや設定に抜群の面白さがあるのに、テンポだけでは今ひとつ深いところが伝わってこない。
序盤に教師キタノが「大人をなめてんじゃねえよ!」と調子こいたガキどもを一喝するシーンで「おお!」と思った以外は、そんなに引き込まれることもなかった。
まあ、一つ気に入っているシーンを挙げれば、灯台での女達の殺し合いかな。
あれだけ仲良く振る舞っていながら、結局は他人を信用できていない。
所詮そんなものなのか。
毒を盛ったヤツが銃撃戦で生き残り勝手に自殺する。
何の救いもないところ、それが現実でしょう。
そういう意味で主人公は青臭くてついていけない。
山本太郎は格好いいんだけど、ヒーロー然とし過ぎてて…。
結局の所、キタノは最後に自分のことを「ダメ人間」と告白し、殺される。
なんのことはない、結局子供らがダメになったのは、今の大人がダメになったからなんだよ。
主人公の父にしても、キタノにしても…。
この映画は、子供よりももっと大人が観るべきなのかもしれないね。
しかし、いつも思うんだけど、邦画ってのは死に際の不自然さが目立つ映画が多いよなあ…。
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