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48分の短編ながら、Production I.G(製作会社)の底力爆発といった感じ。
絵のクオリティは間違いなく一級品でしょう。
元々は「セーラー服の女学生が日本刀を振り回す」という絵を、アニメ化したいが為に出た企画だそうですが、こうもカッコ良くきまるとはね。
何よりも、個人的には「寺田克也の画をアニメにしよう!」という心意気に惚れます。
極力説明を省いた演出は、上映時間の短さも相まって、話の背景が消化不良になり気味。
でも個人的には、その分からない部分を自分なりに解釈することが楽しいと思う。
主人公は何故人を殺せないのか?
何故、翼手(吸血鬼)を倒すことに協力しているのか?
アメリカの“上”が関係しているのか?
メディアミックスでゲームやマンガ、小説にもなってたと思うから、それを見れば分かるのかもしれないけど、映画だけ観ても俺は十分満足でした。
物語の背景にある“ベトナム戦争”はストーリーに対して何かの暗喩になっているのか?
と考えれば、それは主人公と翼手という“同族殺し”の象徴のように思える。
いや、逆か。
“戦争”という“同族殺し”の象徴が主人公であって、ラストの台詞にある「今もどこかで戦っている」に係っているのか。
そこまで考えてみれば、それはそれでまた面白いねえ。
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