8
高校で再開した幼なじみの二人、カブとユウキ。
ボクシング部ですでに上級生を負かす実力と才能を持っていたカブに誘われ、ユウキもボクシング部に入部する。
幼なじみの友情とボクシングという青春、と書くと陳腐に聞こえるが、天才肌のカブと秀才型のユウキというキャラクターや関係性が良く、清々しいスポ根青春映画と言える。
カブがライバルと目する稲村に破れて一時期クサったり、「やっぱりカブが一番だ」とユウキが独白したりと、話の構造が松本大洋の「ピンポン」を思い起こさせたりもしたけど、ある種の定型と思えば、多分に俺好みの友情モノとして楽しめました。
舞台は大阪、カブ役の市原隼人は神奈川出身。
さすがに他の関西出身の役者に囲まれるとその関西弁にムムムと思う場面がないでもないが、頑張っているし途中からは気にならなくなった。
やんちゃそうでありそうながら、ユウキが慕うという気持ちも分かるキャラクターに、市原隼人は上手くマッチしていたと思う。
キャラクターで言えば、ボクシング部監督の筧利夫もなかなか良い味出してたなあ。
風貌がこりすぎて最初は筧利夫に見えなかったがw
ただ、観ていて思ったのは、思いのほか人物のバックボーンに対する踏み込みが浅いということ。
それなりに語られはするのだけど、例えばマネージャーの丸野の病気と死にしても何かあっさりした感じだし、監督のガードにこだわる理由にしても、もう少し切り込めたはず。
そこまでしなかったのは言いたいことがカブとユウキの話だったからなのか、映画の尺の問題なのか…。
場面の繋ぎでも、微妙に流れの断ち切れたカットを差し込んでいる印象のところもあったし、そういうところは多少気になったかも。
そうそう、肝心のボクシングシーンは出演者達も吹き替え無しで頑張ってます。
引きも寄りも駆使して、なかなか迫力のある映像になっていて良いね。
(ある種のパターンとも言えるが。)
かなりの長回しでラウンドを撮っている場面もあるんだけど、そこのクレーンの上げ下げはちょっと気持ち悪かったかな?
まあ一部マンガっぽい演出もあるし、最後の最後にVFXを使ってしまったというのもご愛敬か。
個人的にはちょっと引っかかるけどねw
もどる(ハ行)
当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01