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原作:朝霧カフカ・作画:春河35の同名漫画の劇場版。
2シーズンで放送されたTVアニメ「文豪ストレイドッグス」のその後に起きた事件を、劇場版オリジナルストーリーで描く。
オープニングでささっとキャラ紹介はされるものの、武装探偵社にポートマフィアに異能特務課などなど…それぞれの組織の立ち位置や思惑が前提にあったりもするので、一見さんにはややこしいお話ですな。
ということで完全にファン向けの劇場版ということになるわけだけど、自分と同様に少なくともTV版を観ていた人であれば普通には楽しめるかな。
ただ、元々登場人物の多い設定の中でさすがに90分という上映時間内で全員を活躍させるのは大変だと考えたのか、事件の規模が大きい割には活躍するキャラクターをかなり限定的に絞った印象ではある。
主役級の活躍すべき人物が活躍しているとは思うのだけど、叶うならせめてもうちょっと武装探偵社のチームワークも観たかった気がするのだが…。
仕方がないか。
それでも6年前の龍頭抗争やに中島敦の孤児院での出来事を絡めたりして、主役級のキャラの背景から話を膨らまそうとしているあたりにシリーズとしての連続性を出そうという工夫は感じられる。
劇場版らしくアクションシーンは派手でいい感じ。
太宰治の行動は「すわ裏切りか!」と思わせておいて…という部分に話の捻りもあるが、展開がやや早いので気が付けばネタばらししていて、あれもう真相明かすの?と思ったなあ。
でも自殺の話をしながら口に含んだクスリが、実はそっち用だったというのは気が付かなかった。
中原中也に殴られるのが前提とはねw
それ以外の流れは割と予定調和的というか、自分の異能と闘って打ち勝つことで能力を取り戻したり、第三の敵を前に普段の敵が共闘したり、といった部分はベタな印象。
まあこれ以上奇をてらっても仕方がない部分もあるし、むしろそういう部分で王道を行くことでのカタルシスもあるのだけれど。
活躍すべき人物が活躍するというのは大事だもんね。
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