シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版 フリクリ
オルタナ
2018年制作

満足度:

2000年から2001年にかけて発売されたOVA「フリクリ」の続編。
女子高生の親友4人組が過ごすなんて事のない日常、そしてそこに現れたハルハラ・ハル子。
米国では全12話として放送された内の1シーズン6話分をまとめた劇場版。

第一印象は「公式が作った二次創作…?」。
OVAの「フリクリ」は俺が大学生の時に観た作品で、子供時代の「気分」を引きずった学生には何かと引き込まれる描写も多く、結構思い入れのある作品でもある。
その18年ぶりの新作という事で期待値が高かったというのも不利に働いたのかもしれないが、確かに振り返ってみると「フリクリ」らしい感じもするのだけれど、観ている間は全然話にノレなかったという残念な結果に。
劇判はちゃんとthe pillowsの曲なので「『フリクリ』だ!」ともなるけど、the pillowsの曲を聴かせるためのアニメみたいな作品だったOVAと比べると、今作は「フリクリ」っぽさを出すためだけに使われている様に感じられてしまったのが…。
(ある場面で「歌に歌を被せるなよ…」と思ってしまった。)
やっぱり何かノリが違う。

この作品の背骨になっているのは、高校生時代という空気と、それはいつまでも続かないという予感。
そして主役4人それぞれの選択が各話ごとのテーマとして配置されているわけで、それはそれで青春SFだと思えばまあ無くはないかもしれない。
ただ「フリクリ」として描くにはそっちに偏りすぎちゃったかなあ。
もちろんハル子の突拍子のない介入やメディカルメカニカのメカたちとの戦闘アクションもあるわけだが、その前に主人公4人の青春という主題が勝ちすぎている感じ。
なんというか…、この映画のハル子って介入はするんだけど彼女らにとっては部外者なんだよね、基本的に。
OVAでナオ太がハル子に感じた様な憧れか恋か分からないような感情がこの話にはないから、主人公とハル子との関係性が絶妙に溶け合っていない印象が最後まで拭えなかった。

個人的には主人公側にカンチみたいな立ち位置のメカもつけて欲しかったなあなどと思ったり。
突然マンガのコマみたいになるといったようなパンチのある演出がなかったのも物足りないところ。
この作品を観て、OVAの「フリクリ」って鶴巻監督と脚本の榎戸さんのセンスがあってこその作品だったのだなと再確認した次第。


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