シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel]
II.lost butterfly
2019年制作

満足度:

TYPE-MOONのゲーム「Fate/stay night」から"桜ルート"と呼ばれる展開をアニメ化した劇場版3部作の2作目。

前作の振り返りもなくスパッと始まる潔さ。
余計なことに時間を割くくらいなら話を進めましょう、ってところでしょうか。

内容的にはまさに序破急の「破」…三幕構成の第二幕という感じの展開で、それまでどちらかと言うと被保護者というか被害者側だった間桐桜が、実は倒すべき加害者だったという真実が明らかになる物語。
それによって主人公・衛宮士郎の価値観が揺らぐわけだけど、原作ゲームをやっていない俺の様な初見の者にとっては、それまでのセイバールートや凛ルートとはまるで違う展開に息をのむなあ。
今までのルートで様々な見せ場を作ってきたサーバントが、次々に消えていく展開にはハラハラしますわ。
というか間桐慎二は本当に見事なクソ野郎だな(苦笑)

主人公の士郎と桜が肉体関係になったりしてより踏み込んでいくけれど、その少し前に一度桜の逡巡のシーン(指の血をなめるだけで踏みとどまる)があることで、その後の心情変化というか桜の自制心が薄らいでいく感じが上手く表現されているように思う。
好意を持つ二人とはいえ(“魔力供給”という言い訳を使った)肉体関係の描写は18禁ゲームの名残だろうかね、これをやり切るならやはり劇場版で、という事だったんだろうか。

本作の引きとしてはマキリの杯となった桜の場面で終わりなので、やはり本作のみのストーリーでは完結しないし、単作の映画としても消化不良の部分も多い感じ。
だけど、よもやこの作品を観る者がそこに不満を持つはずもあるまいw
ufotableの圧倒的クオリティの映像に2時間当てられ続けるのは実に至福ですわ。

全体の流れは士郎と桜の関係性がメインになるので、サーバント同士の戦闘シーンは少なめな印象。
それでも中盤に差し挟まれるセイバーオルタとバーサーカーとのバトルは圧巻の一言です。
バーサーカーっぷりがマジでバーサーカーだった!
セイバーオルタも城や森を吹き飛ばす圧倒的な攻撃力なのに、それを真っ向から受けてなお立ち上がり突進するバーサーカーが素晴らしい…というかその映像に説得力を持たせる戦闘演出がすげえ。
最近観た映画の「ドラゴンボール超」もすごいと思ったけど、その上を行く迫力と圧力だったなあ。
(比較対象がおかしい?w)

とにもかくにも、まだ何にも解決してないどころか、ヒロインが(たぶん)ラスボスになってしまった驚きの展開で終わってしまったので、早くも続きが気になります。
前作からは1年3カ月待たされて、おそらく次作・最終章も同じくらいの間隔が空いての公開になるけど、まあこのクオリティで観せてくれるのならば全然待たされることにも納得ですね。


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