シネつう!
JAPAN STYLE !!

ハッピーフライト
2008年制作

満足度:

羽田発ホノルル行ANA1980便を中心に、機長昇格試験に挑む副操縦士、初めての国際線業務に緊張するCA、気を見守る空港スタッフ達の姿を描いたコメディ。

かなりこだわって作ったのが分かる航空業界コメディだけど、この映画は安易にドジっ子CAを主人公にせず、1機の飛行機の運行のために頑張っている機上や地上の様々な人々を主人公にしたグランド・ホテル方式の映画なんだよね。
それだけに割と多めの登場人物が出てくるんだけど、5つのストーリーラインでテキパキと割って進めていく矢口監督の演出はお見事。
人物説明も最低限で分かりやすくできているし、どのストーリーもそれぞれ手堅く纏めていて気分よく観られました。

登場人物では操縦士・副操縦士を演じた時任三郎と田辺誠一が良い。
まあ話を引っ張っていく中心にいるキャラだけど、深刻な状況でもちゃんと笑える演技(もちろん演出がそうなんだけど)を見せてくれるのが面白いね。

あとはグランドスタッフ役の田畑智子の役も良かった。
テキパキこなすが、いまいち出来の悪い後輩に苦労させられている感じとか、「もう戻ってくるなよ〜」の笑顔とかw
ラストに“黄色いカバンの彼”が背後にピンぼけで見えているのが良いね。
そこをハッキリ見せるとこまでしなかった演出のさじ加減も好印象です。

まあこの映画で特筆すべきはANAの全面協力があったと言うことなんだろうけど、その威力は絶大だった。
ほとんど本物を使っての画はさすがにリアル感満載ですわ。
やはり本物に勝るリアル感はないね。
しかしANAが協力しているからこそ、劇中に発生するトラブルが人為的なものであってはダメだという制約もあるんだろうか。
ということで劇中のトラブルの遠因を作ったのが“頭の悪い動物愛護団体”となったわけだけど、個人的にはそれがちょっとした嫌味で面白かったです。

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