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TVゲーム「PERSONA3」をアニメ化した劇場用作品の第4章。
深夜0時に出現する"影時間"。
私立月光館学園に通う主人公たちは、覚醒した望月綾時告げられた衝撃の真実に立ち向かう。
結局この最終章までずーっとダイジェスト感が拭えないまま終わってしまった感じ。
出会いと別れや、死を意識することによって生の価値を知るといった大命題は分かるのだけど、どうしても表面的に感じてしまうのはその根拠に至るアプローチが淡泊だからだろうか。
多分ゲームをプレイしたことがあるかどうかによっても感じ方が違うんだろうが、自分は未プレイなので、うーむ。
苦悩から気付きへの転換が段取りにしか見えないとか、まあそれはバトルにおいてのピンチと逆転もそうなんだけど、繰り返されるそれに対して切っ掛けが唐突にしか見えないのがどうもね。
本作ではここまでの1〜3章までの積み重ねもあると言えばそうかもしれないが、幕間を読ませるよりも駆け足さが勝ってしまう感じ。
バトルも派手なのにタメがあまり感じられないので、ピンチになっても逆転しても今一つ自分の中ではカタルシスに繋がらなかった。
画は良いんだけどね!
ニュクス戦で「そのアルカナは示した〜」を律儀に全部聞かせたのはファンサービスだと思うけど、映画としてはどうなんだろう。
ゲームの演出ならばいいと思うが…、やはり映像媒体のテンポとしては内容を聞き取って汲み取るより先に流れて行ってしまう気がして。
ここはゲームと映画という媒体差の悩ましいところかもしれないが。
展開的にはエリザベスとの街歩きのシーンは少し和んで良かったかな。
この街歩きの間中、ずっと画面に雪を降らせていたけど、これはCG…デジタルの賜物だろうなあ。
アナログ撮影でこれをやれってなったら撮影さん死んじゃうよ?w
あとは…アイギスはヒロインとしての立ち位置が強くなって悪くない。
むしろ主人公よりもアイギスの方が個人的には感情移入しやすかったし、映画にするならアイギス視点でも良かったかもなんて…まあそれは難しいか。
やっぱり総じてこのシリーズは漂うダイジェスト感が最後まで気になってしまった。
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