シネつう!
JAPAN STYLE !!

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
2009年制作

満足度:

某巨大掲示板で話題となり、映画化された同名スレッドの実写作品。
数年のニート生活の後、あるプログラム会社に就職した主人公だったが、そこは職場環境がとてつもなく過酷なブラック会社だった。

俺の職場はブラックではないものの、IT企業であり、身近に失踪者も出す様な業界なので、状況は分かるなあ。
原作未読というのもあって、どこまで真実で、映画がどこまでそれに沿っているのかは知らないけど、カリカチュアされたとんでもない同僚ばかりの環境はまさに戦場。
砕けそうな心を支えてくれる一人だけ真っ当な先輩がいて、主人公は仕事を続けるわけだけども、その姿を見て「人は何故働くのか」という“労働の意味”を考えさせられながら鑑賞しました。
そういう意味ではこの映画の企画は成功なんだろう。

他人の不幸の笑える部分を積み重ね、ラストには感情の爆発と感動に持っていく展開は、実話だとしたら綺麗すぎるけど話としてはまとまっていると思う。
しかし、ネット掲示板から生まれた物語なのに、ネットという世界がほとんどこのメインストーリーに絡まない。
主人公の吐露と、若干のレスが見えるだけでネットの向こうに広がる世界が全く描かれないんだよね。
それをやっちゃうと「電車男」になるからワザと避けたのかもしれないが、でもこれではネットは添え物以前に存在感がない。
ただの“ブラック会社”という普通の企業新人モノで完結してしまうわけだけど、原作って状況の吐露を書いただけなのかな?
読んでないから見当違いのことを言っているのかもしれないけど…、何かが惜しい気もする。


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