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1979年の栃木を舞台に、新任の駐在さんにひたすらイタズラを仕掛ける高校生達の闘いを描いた青春コメディ。
冒頭、主演の市原隼人と佐々木蔵之介のこめかみに、マンガ的な青筋が浮かんだ次点で「ああ、そういうノリの映画か」と瞬時に理解できる。
そういう意味で掴みの展開は上手かったなと思う。
…が、その勢いはそこまでで、中盤以降は低予算ムービーな臭いがプンプンする。
まあ、序盤は背景の遊びが面白いし、世界観に入ってしまうと中盤以降のベタなギャグでも思わず笑ってしまうんだけどね。
この作品の塚本連平という監督は「時効警察」の一部演出をやっていた監督らしいけど、雰囲気でそれとなく分かるなあ。
でも(「時効警察」を作った)三木監督の突き抜けた作風にはまだ届いてないけども。
見ていて気になったのは80年代直前の雰囲気が感じられない町の風景に、もうちょっと前時代なんじゃないかと思うようなファッション。
時代考証なんて気にしてないのかなあ?
低予算だから仕方がない?
そんなところを観る映画ではないけど、目につきます。
映画は中盤までがイタズラ合戦。
終盤になんだか普通の青春映画らしくなるけど、そこでまたもうちょっとハッチャケてくれれば印象が違ったのではないかと思って残念。
主人公の微妙なアイデアでみんな連携して頑張り、駐在さんがそれを阻止するという構造は同じなんだけど、オープニングのテンションほどじゃないんだよなあ。
その駐在さんを演じている佐々木蔵之介はやはり上手い。
市原隼人も似合う役ではあるけど、ちょいと笑い方の演出が諄いので、俺的には損をしているかな。
なんにせよ、ちゃんと主人公達の相手をしてくれる駐在さんの存在感が良い映画です。
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