シネつう!
JAPAN STYLE !!

破門
ふたりのヤクビョーガミ
2017年制作

満足度:

黒川博行の小説「疫病神シリーズ」の「破門」を佐々木蔵之介と横山裕のW主演で実写化した劇場版。
映画製作を語る詐欺にあった堅気とヤクザの二人組は、姿を消したその詐欺師を探し始めるが…。

原作は未読。
予告編から感じるほどコメディではなく、どちらかというとハードボイルド小説のような雰囲気に寄っているような気がするものの、主人公二人の漫才のような掛け合いは楽しい。
そういう点で会話の中にツッコミが生まれる関西弁の響きが、いい塩梅に面白みを生んでいるような気はする。
ストーリーは詐欺だのヤクザだのと穏やかではないのにねw
「落ちているのか飛んでいるのか」という主人公たちの腐れ縁っぷりや、詐欺師追跡劇という凸凹コンビのバディ・ムービーとしては面白かった。

ただ、どうせ大阪を描くならもう少し土地柄を生かしたような描き方があると嬉しかったかなあ。
取引場所として出てくるハルカスも観光名所だからというだけのような感じで、ビルの高さを生かした話の仕掛けは薄い。
地下駐車場に行くまでの時間稼ぎができるという事はあるんだろうけど、積極的にそれが描かれるわけでもないし。
まあご当地映画で観光名所が出るくらいの意味合いかね。
中盤に行くマカオもマカオである意味はあんまり感じない。
カジノを使った詐欺師の金の隠し方の一端を見せるという意味くらいだよね。

それはそれとしても、大阪を舞台にした映画を観ていて登場人物が皆まともな関西弁で喋っているのは、大阪人の自分として気分は悪くないですよ。
まあ佐々木蔵之介とかは多少誇張した喋り方をしているところもあるけど、イントネーションの気持ち悪さはなかったし。
なんせ役者がみんな関西人だもんね、その辺はしっかりしている。
個人的には、主人公が実家に帰る度に「なんやのあんた」みたいな自然な反応をする主人公の母(キムラ緑子)の感じが良かったなあ。


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