シネつう!
JAPAN STYLE !!

ひるね姫
〜知らないワタシの物語〜
2017年制作

満足度:

2020年の日本を舞台にした神山健治監督のオリジナルアニメ映画。。
不思議な夢を見ることの多い主人公の女子高生・ココネ、ある日突然に事情も分からぬまま父親が逮捕されてしまう。
父親を助けようと行動を開始する主人公だったが…。

平凡な女子高生が夢の中の世界で活躍するファンタジー…かと思いきや、実際には“夢”の場面は設定を語る道具にしか過ぎないという…。
まあ現実を夢の中で別のものに置き換えて見せるという手段は、それこそ「オズの魔法使」の様に昔からあるけども。
でも、気づけば岡山から大阪に移動していたり、魔法のタブレットで新幹線に乗れたりといった「夢が現実に侵食している?」と見せかける場面でも、そこにもちゃんと理屈を通しているあたり…神山監督の生真面目さを感じますなあ(苦笑)
ほんと、理屈っぽい話が得意な神山監督らしい構造の作品でした。

なので実際に見てみるとファンタジーというよりは近未来SFって感じ?
どちらかというと車の自動運転技術を巡るサスペンスな話なのかもしれないが、そこに主人公の出自に関する物語を組み込んで、しかも夢の場面を話の動輪にしているもんだから、それが故にそれぞれの構造が溶け合っているというよりはブロックとして積みあがっているような印象だった。
もちろん各場面の関連は上手くつながっているし、描かれない場面でも現実や夢の場面として補完されていると思うので話は理解できるのだけど。
でもなんだか作り手の理屈っぽさが前面に出ているのが感じられるのは…どうなのかな?w
クライマックスで一瞬サイドカーが変形したように見えたあの瞬間だけがファンタジーだったね。

舞台が岡山なのは…なぜ岡山なのかが分からない。
東京への距離感といったところが話の味付けに特別意味を感じるところもなかったし。
ただ、移動時間に眠ることで夢の世界を挟めるというタイミングを作るには良かったのかもしれないな。
まあそれはともかく、少なくとも瀬戸大橋を望む風景は悪くない。
結局、主人公は実際には何にも特別な力を持ってなかったわけだけど、ただ行動力があるという点では主人公として気持ちはよかった。
そんな彼女のサポート役に徹するモリオくん…。
巻き込まれたまま最後まで付き合うんだから、いいパートナーだとは思うよw


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