9
筒井康隆の同名小説を原作にした、今敏監督4作目の劇場公開作品。
今監督の作品は全部観ているけど、いやはや今回もやってくれました。
まさにイマジネーションの洪水。
実写では出来ないアニメならではの真実味というか、想像するだけなら簡単だけど、それをちゃんと絵と話で表現してくれるんだから凄い。
これまでの作品も虚実入り交じった内容が多かったけど、今回は特に人の夢の中を描き出すわけで、その支離滅裂で何でもありな世界の描写には舌を巻くねえ。
展開は、事件の黒幕が誰かとかはすぐにピンと来てしまうんだけど、それでも最後までグイグイ引っ張っていくパワーがある。
上映時間も90分と纏まっているのも、観やすいと思える一因かな。
しかし、夢を乗っ取られて意味不明な言動を発する人たちが多々描かれるけど、その支離滅裂さったらないw
ああいう絶妙に意味の通らない文を考えるのも大変だろうなあ、なんて観ながら思ってしまった。
それに七五調で話してくる人形(?)も実に不気味。
七五調であるってところが効いてるんだよな。
作中で古い映画に対するオマージュやパロディがあるのも面白かったわ。
登場人物が夢の中で明らかに“黒澤明”に変身して撮影技法を語るくだりなんて、俺は大ウケしてしまったねw
もどる(ハ行)
当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01