シネつう!
JAPAN STYLE !!

鉄道員(ぽっぽや)
1999年制作

満足度:

廃線が間近に迫った北海道のローカル線。そこの終着駅で駅長を務める一人の男に起きた出来事を描いたドラマ。

生まれたばかりの娘と妻を亡くし、定年も目前に迫った主人公。
仕事一筋に生きてきた男を、高倉健は高倉健らしく演じてますな。
脇の小林稔侍と大竹しのぶも安定していて良い。

ただ、映画の構成としては、現代を軸にして過去が回想として挟み込まれる形なのだけど、ここは少しテンポに引っ掛かりを感じていまいち入り込めなかった。
確かに人物関係やその背景説明としては不足はないのだけど、なんかキレは微妙だよね。
説明臭すぎるのか、予想の範疇を超えないからなのか…。

ほとんど白黒になる回想シーンでは、その画面の中で赤いマフラーやベストなど、赤い色だけパートカラーになってる。
これは終盤に現れる娘に関連した印象を与えるのに一役買ってはいるものの、個人的には意図が見え見えでいまいちかなあ。
同様な演出としても、「天国と地獄」や「シンドラーのリスト」のキレには遠く及ばない感じだしね。
幽霊と赤い色という仕掛けが、偶然にも同年公開の「シックス・センス」と被っているのは興味深いが…。

まあ、家族を顧みずに仕事に打ち込んで日本の高度成長期を支えた男たち、その彼らへの賛歌としてはアリだとは思うんだけども。
俺も定年を迎えるころには感じ方が変わるのかもしれないな、と思った作品です。


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