シネつう!
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鷹の爪8
〜吉田くんのXファイル〜
2016年制作

満足度:

Flashアニメ「秘密結社 鷹の爪」の劇場版第6弾。

「秘密結社鷹の爪」の10周年記念作品。
ナンバリングは8だけど、4作目がOVAだったり、6作目が入場者特典のDVDだったりするので、劇場公開作品としては6作目。
これまでは完全にオリジナルで話が作られていたけど、本作は「月刊コロコロイチバン!」に連載されている同名コミカライズ版が原作とのこと。
元のアニメは昔から観ていたけど、その原作(漫画)は未読です。

おそらく漫画の方は吉田くんが主人公で、島根を舞台に超常ネタを扱った内容なんだろうけど、「鷹の爪」の新作と聞いていつもの総統たちの活躍(?)を期待していた身としては少々肩すかし。
正直言って「いまさらロズウェルとかチュパカブラとか、オーパーツとか、いつのネタだよ…」なんて思いながら観てしまいました(苦笑)
「Xファイル」のパロディとか、20年遅いんじゃないの?って気もしたけど、そういや今年(2016年)に米国で15年ぶりにミニシリーズが放送されたんだっけ。
そういう意味では時流には乗っているのか。

でも作劇としては、吉田くんの繰り出すいつもの少しズラした言葉遊びにニヤニヤする一方で、随所に挿入されるオカルト解説や島根の名所解説がテンポを止めがちで何となく乗り切れない。
まあそういうウンチク的な解説は「吉田くん」としてはお約束と言えばそうかもしれないけど…。
ギャグの類や敵の軽さもちょっと子ども向けというか、まあコロコロコミックに載せるようなノリ何だったら仕方ないが、深夜放送の「秘密結社鷹の爪」の頃を知っている身としては、なんだか毒気がすっぱり抜けてしまって寂しい気もしてしまったなあ。

しかしラストの仕掛けで、未来の「世界連邦」が何を指すのかが分かった瞬間は素直に「やられた!」と思ったね。
世界連邦の「上」である未来の吉田くんの背後の壁に、額に飾られた総統の絵があったことは、鷹の爪団は夢に見た世界征服によって「誰もが幸せに生きられる世界を作る」ことを成し遂げていたってことなんじゃ…?
本作では総統にほとんど出番はなかったけど、今まで苦労ばかり背負い込んできた彼の未来をこの様に示唆してくれたことは、これまで観続けてきたものとしてはちょっと嬉しかった。

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