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1作目の大ヒットを受け、急遽制作され半年後に公開されたシリーズ第2作。
前作の重厚さはどこへやら、死んだのとは別にゴジラがいたことにして、しかも何の脈略もなくアンギラスが登場。
東京の次は大阪で、と淀屋橋と大阪城を破壊して次はあっという間に北海道沖の孤島で氷漬け…。
核の暗喩的なテーマもなりを潜め、“怪獣が格闘する”という一点において新しいものを作っている以外はひたすら即席感が漂う作品になってます。
ゴジラが上陸しようかという時に囚人を護送するなとか、そのタイミングで脱走されるなよとか、死亡フラグが立ちまくりの千秋実とか、セスナパイロットがいきなりジェット機を操縦してるとか、色々突っ込みどころも多いのだけど、そのB級臭さはなんだろう…。
個人的には、まだ周辺に高層ビルもない半世紀以上前の大阪城の実景や、当時の道頓堀のネオンといった昔の大阪の風景には興味が行きました。
ミニチュアながら、浸水する地下鉄淀屋橋構内の様子もなかなか興味深い。
にしても、やはり全体的に説明不足の脚本の荒さは、今観るとどうしても気になります。
上映時間も82分しかない割には駆け足感よりも淡泊さが目に付く展開だし、全体に逼迫感や緊迫感が薄いんだよね。
ゴジラが迫る大阪で警報が出るまでクラブで踊ったり、前述の囚人護送のようなシーンが挟まるからよけいにそう感じるんだろう。
まあある種の時代を感じさせるものではあるけども。
前作からの繋がりでは、専門家として志村喬が少しだけ出演。
完全にゲスト扱いだけどクレジットはでかい。
しかしそれ以外はほとんど前作とは繋がりが感じられず、ゴジラ容姿や設定にしても、格闘シーンの演出にしてもテイストそのものが異なる。
そもそも高速度撮影されていないので、ひどく動きが軽快なんですなあ。
円谷英二は怪獣の演出として重量感よりもスピード感を取ったわけだけど、はたしてそれは良かったのかどうなのか。
特撮の神様が選んだこととはいえ…、個人的には微妙かな。
ちなみに今作の音楽は伊福部昭ではなく佐藤勝。
なのであのゴジラのテーマも流れません。
そのあたりも個人的には物足りない。
二作目だった公開当時に、それを気にする人はいなかったかもしれないけどね
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