シネつう!
JAPAN STYLE !!

モスラ対ゴジラ
1964年制作

満足度:

ゴジラシリーズの第4作。

1962年の「キングコング対ゴジラ」の続編であるが、1961年の「モスラ」の続編でもある。
90分の上映時間でスピーディーに話が進むので飽きずに観られるし、お決まりの原水爆実験への言及や、観光開発問題といった部分に触れた上でもゴジラの登場もシーンも多く、なかなかサービス精神が行き届いた作品になっているのかなと思う。
まあ終盤にある「分教場の生徒と先生を助けないと!」というくだりは取ってつけた様な展開ではあるが。

モスラの卵を環境の目玉にしようとする興行師は、卵を返してほしいという小美人の願いを突っ返す。
それでインファント島の人にとって「日本人は卵を返さない」という人間不信があるのに、ゴジラによるピンチで日本人がインファント島の成虫モスラに助けを乞うとは虫のいい話である。
主人公たちもそれは理解したうえでお願いに行くわけだが、死期を悟って横たわっていたモスラがそんな日本人に最後の力を貸すという義侠な展開に、観客側は胸を熱くするという寸法だ。

そんなもんで、成虫モスラの最期の闘いはもちろんモスラを応援してしまう。
その後、終盤の幼虫モスラとゴジラの闘いなんてほとんどゴジラが糸を吹きかけられているだけのシーンなのに、これにもなぜか手に汗握る。
実際には、画面は単調なんだけども…不思議。

主人公は宝田明演じる新聞記者。
新米記者を演じる星由里子と、博士を演じる小泉博との3人で事態を目撃する役回りで、まあこの辺はお決まりなキャラクターかな。
どちらかというと、記者仲間を演じる藤木悠がとぼけた味があって良かった。
なんかしょっちゅう卵を食べてるのが意味はないんだけど可笑しい。
田島義文が演じるハッピー興行社の熊山がまた胡散臭い興行師で良い味を出してますな。

小美人役は「モスラ」から引き続きザ・ピーナッツの二人。
今作では光学合成での宝田明たちとの同フレームでの場面も多かったように思うけど、特に小美人が先を行った後に宝田明たちが追いかけてくるシーン等では効果的だった。
(小美人がフレームアウトした後にカメラを振ったりして、同じ場所にいた感じが増してる。)
しかしご愛嬌とはいえ、小美人ってたまにテレポートしたんじゃないかと思う様な移動をするよなあ。
成虫や幼虫に関わらず、モスラの上にどうやって乗ったり降りたりしてんだ?w


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