シネつう!
JAPAN STYLE !!

ゴジラ・ミニラ・ガバラ
オール怪獣大進撃
1968年制作

満足度:

ゴジラシリーズの第10作。

本作は鍵っ子の少年が怪獣島を夢想する中でミニラと交流したりゴジラを応援したりするという、シリーズの他の作品とはずいぶんと毛色の違う作風になっている。
つまり劇中でも怪獣は空想の産物で、そしてゴジラは悪い怪獣を倒す子供のヒーローなわけだ。
怪獣に投影するイメージが随分と変化してきた中でたどり着いた結果だが、もしかすると昭和ガメラシリーズの影響もあるのかもしれない?
一方でテーマとしては、高度成長期の社会において鍵っ子や団地生活といった子供たちを取り巻く生活の雰囲気が感じ取れる作品として興味深い。
でもゴジラシリーズとしては特撮場面において過去作からの流用も多く、ガバラのキャラクター性もお世辞にも良いとは言えないので、物足りない部分は多いかな。
これで「オール怪獣大進撃」というのだからちょっと誇大広告ですわ。

喋るミニラは…大人が観ると苦笑するしかないが、しかし少年の夢なのだから仕方がない。
それでもミニラを通すことで、いじめられることに甘んじず、立ち向かっていく勇気を少年に促すわけだからそういう見せ方だってありだとは思うんだよね。
夢だし。

とにかく、怪獣映画でもSF映画でもないと思えば、少年・一郎のちょっとした成長を描いた子供映画としてそこまで悪いとも思わない。
「ホーム・アローン」の泥棒の様な感じの間の抜けた2人の強盗犯は憎めないドジっぷりだし、床の穴の伏線もちゃんとしてる。
今作では怪しくない人物を演じた天本英世も良い味を出しているしね。


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