シネつう!
JAPAN STYLE !!

ゴジラvsスペースゴジラ
1994年制作

満足度:

平成ゴジラシリーズ第5作。
かつて宇宙へと運ばれたゴジラ細胞が異常進化し、怪獣スペースゴジラとして地球へと襲来する。

ツッコミどころは色々あるが、過去作への言及も踏まえて平成ゴジラシリーズの積み重ねを感じる一編になっているかな。
特に「vsビオランテ」で殉職した権藤一佐の復讐という要素は、個人的にも平成ゴジラシリーズでの権藤一佐は魅力のある記憶に残るキャラクターであったので色々と感慨深い。
復讐に執念を燃やすGフォースの少佐・結城は職業人というよりは職人気質な感じだが、演じる柄本明の雰囲気も相まって割と良いキャラになっているとは思うね。 ただ、ヒーロー要素が強い本作のゴジラの立ち位置の中で、そういう復讐話の部分はゴジラとの共闘後のセリフで有耶無耶にされたような気がしなくもないが…。

本作のヒロインとなる三枝未希にしても、これまでレギュラーではあってもサブ的な立ち位置だったので今回ちゃんと正ヒロインになってよかったなあとは思った。
テレキネシスやテレパシーも使って大活躍(?)だし。
まあ恋愛絡みの要素は要るの…?という感じではあるが。

過去作からの引用という点では、本作で登場する対ゴジラ兵器のMOGERAもそうだけど、元々はゴジラシリーズじゃなくて「地球防衛本作の設定的には前作のメカゴジラと同様に人間側の兵器になっております。
子供心には人間とゴジラが共闘して、宇宙からの悪い怪獣と戦うという展開にはワクワクしたものだね。

さて、作品的には制作が遅れたハリウッド版ゴジラの穴埋めのために急遽作られた作品ということだけど、上記の様に過去作への言及も相まってそれなりに興味を持てる内容にはなっていたとは思う。
(過去作の映像をちょくちょく使いまわしてるのは急遽作られたから?)
ただスペースゴジラという設定は…造形はカッコいいけど劇中での誕生理由の説明もかなり雑で、そのあたりはなんだかやっつけ感も感じるかなあ(苦笑)。
ブラックホールとかホワイトホールとか結晶生物とか、ハッキリ言っちゃうから余計に設定が安っぽく聞こえるんじゃない?
断定せずにボヤかせばいいのに、などと思ってしまった。

それはそれとして、福岡を結晶体で改造してゴジラと戦う様子はこれまでとも差別化されていて悪くないですよ。
細かいビルのミニチュアを作るより結晶体を並べた方が作るのが楽…?などと撮影面での都合を邪推しなくもないが、宙に浮いた結晶体が水平に飛んでくるなどの描写は格好良かったなあ。

そうそう、前作のベビーゴジラは大きくなって出てきます。
何だか丸くなって可愛らしく、まさに平成版ミニラという感じ。
リトルゴジラを守ろうとするゴジラの様子もまさに擬人化された親子のそれで、なんだか昭和ゴジラの様な雰囲気をありありと感じるけど…個人的にはちょっと人間臭すぎる気も。
ゴジラがスペースゴジラと戦う動機は、そのリトルゴジラがバース島での戦いで結晶体に閉じ込められたことで、そこから救うため…ということになるのだけど、そもそもリトルゴジラが結晶体に閉じ込められた理由はよく分からなかったな。


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