シネつう!
JAPAN STYLE !!

ゴジラvsスペースゴジラ
1995年制作

満足度:

平成ゴジラシリーズ第6作。
香港にゴジラが上陸するも、その体は高熱によって赤く光り歩く核爆弾へと変貌。
一方東京では、かつてゴジラを葬ったオキシジェンデストロイヤーによって復活した古代生物が異常進化・巨大化を始めていた。

平成ゴジラシリーズの最終作として制作された本作は、ゴジラの最期をテーマにしつつ、昭和29年の1作目へのオマージュをたっぷりと取り入れた一本になっている。
オキシジェンデストロイヤーの引用もそうだけど、山根博士や芹沢博士への言及があるのはもちろん、回想シーンにそのまま1作目の映像を使ったり、オープニングタイトルの出し方など随所に関連が見られるね。
シリーズ40年の歴史の最初と最後を繋ぐという意味で、本作の構成は悪くない。

ただ内容的には割と淡泊な印象もあって、ドラマパートでオマージュに気を取られているか、もしくは延々と怪獣バトルを見ているかの2つしか印象に残っていない。
特に幼体デストロイアの暴れまわるシーンや終盤のバトルは時間を割いている印象だけど、幼体デストロイアは怪獣対人間の見せ場の一つの割には着ぐるみ(?)の出来がチャチくていただけないかなあ。
節足動物の形態なのに、申し訳ないけど脚で歩いているように見えないんだよな…、なんか車輪で転がってるように見えるというか…。
「邦画としては頑張っている」とも思いたいけど、逆に「技術が追い付いていない」というのをまざまざと感じた。
動体レーダーとか口の中にある第二の口とか「エイリアン2」のオマージュもやっているけど、正直言うと演出レベルが違いすぎて好きではないです。

前2作で登場したリトルゴジラは、本作ではさらに巨大化しゴジラジュニアへと成長。
これまではどちらかと言うとストーリー上のメインには据えにくく扱いに困りそうな存在だったが、本作のジュニアを囮にしてゴジラとデストロイアを戦わせるというアイデアはジュニアの存在が生かせるのでうまいやり方だな、とは思う。
所謂「怪物には怪物をぶつけるんだよ」戦法だが、東京での最終決戦にはそれなりの説得力を得たかな。
スーパーXVの登場は「vsビオランテ」が好きな自分としては「おっ!」と前のめりになる要素だけど、熱暴走したゴジラの対処で冷凍装備満載の新型兵器の登場とはご都合主義にもほどがあるw
まさに「こんなこともあろうかと」ってやつだ(苦笑)

幼体は節足動物だったのになぜか完全体では2足歩行形態(飛行形態もあり)になったデストロイア。
ゴジラよりもでかい姿は圧巻だが、バーニング状態となったゴジラには勝てずダメージで吐血や大量出血の様子も見せ、最後には逃げようとしたところをスーパーXVにやられるという始末。
怪獣としては嫌いではないんだけど、なんだかなあ。

ラストで、ゴジラが自らの熱で放射能をまき散らしながら溶けていく場面は子供心にはつらかったのを思い出す。
それにしても「科学を弄んだ人類の償いだ」みたいな取って付けた様なセリフは要ったのかねえ??

結局、本作はいまいちな印象の方が強いのだけど、個人的にはとても気に入っている場面もあるのです。
それはエンドクレジット。
伊福部昭の「SF交響ファンタジー第1番」に乗せて「ゴジラ」や平成シリーズのゴジラが暴れまわるシーンが流させるそれは、何度観てもとってもカッコいいと思うのです。


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