シネつう!
JAPAN STYLE !!

ゴジラ×モスラ×メカゴジラ
東京SOS
2003年制作

満足度:

日本飛来したモスラとともに現れた小美人が、3式機龍に使われたゴジラの骨を海底に返すべきだと訴える。
怪獣の脅威への備えとして機龍を建造した日本政府はその話を受け入れきれないが、そんな時、再びゴジラが現れる。
ミレニアムシリーズの第5作。

これまで毎回設定をリセットした単独作として制作してきたミレニアムシリーズの中で、本作は前作の「ゴジラ×メカゴジラ」に対する直接の続編になっております。
うーん、ミレニアムシリーズのアイデンティティを失ってまで描かなければならない話だったんだろうか、と考えるとあまり肯定的には感じないというのが正直なところ。
前作が操縦者を主人公にしていたので、本作は整備士を主人公にして対比させようという狙いなんだろうけど、結局前線に出張って身を張った挙句に主人公補正で生還してしまうあたり、(身もふたもない言い方をするならば)別に話としては整備士でなくてもよかったんじゃないの…と思わなくもない。

前作でも言及されていた1961年の「モスラ」が設定上大きな要素を占めているけれど、小泉博を「モスラ」の中條信一役で引っ張り出している割には取ってつけたような位置づけにしか感じなかったのがもったいない。
過去作との繋ぎのためにせっかく出てもらってるんなら、もっと小美人と絡めた話にしても良かったと思うんだけど、主人公も中條老人も小美人も、どこかバラバラに行動してちょっとずつしか絡まないので、どうも感情的な接続が薄い印象だったなあ。
結局のところ、3式機龍という死んだゴジラに鞭打って兵器に仕立て上げているという感傷性をストーリーの軸にしているので、個人的にはその湿っぽさがどうもすっきりしなかった。
(終盤の「SAYONARA」なんてやりすぎ感がある。)

個人的に前作はとても面白く感じたわけだけど、あれは「エヴァンゲリオン」のパロディをゴジラでやっているという遊びを隠していなかったのが良かったんだろうなあと実感する。
それが本作ではゴジラやモスラといったの過去作の再利用以上のものにはならなかったので、俺の中でそういった怪獣映画の中に埋没した印象になってしまったのだと思う。

でもいい場面もあった。
機龍のデザインは確かにかっこいい。
国会議事堂の向こう側でゴジラと対峙する機龍の構図はこだわりも感じたしね。
ドリルアームのエグさもきらいじゃないなw
ビル越しの誘導ミサイル攻撃とか、冒頭の空中戦もなかなかスピード感があっていい感じ。
あ、でもあの空中戦のカット割りになんか「ガメラ3」の臭いも感じたかもしれない。
パロディ?


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