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3話オムニバスの大友克洋監督作品。
実際に大友氏が監督をしたのは3話目の「大砲の街」だけですが、3話ともそれぞれに違った大友作品らしい話で面白い。
第1話「彼女の思いで」は、宇宙ゴミの回収を行っている宇宙飛行士達が遭遇した不可思議な宇宙船の話。
原作マンガの方は読んでないけど、俺は結構好きですね。
オペラ歌手のはた迷惑な思念を引き継いだコンピュータのせいで、とんでもない目に遭う主人公達が哀れ。
主人公の娘が屋根から落ちるくだりは、きっと主人公の身に起きたことなんでしょう。
コンピュータはそれを使って思い出(幻想)の世界へ引き込もうとするわけだけど、主人公は現実に生きると拒絶する。
最後に宇宙に放り出された主人公と、幻想の中で女の虜になっている仲間の対比がなんだか怖い。
千葉繁が演じるアオシマが「ちきしょー!やっぱり死ぬときもゴミの中かよぉ!」と嘆くシーンは笑ったw
第2話「最臭兵器」はハッキリ言ってギャグですw
カゼ薬で飲んだつもりのクスリがとんでもない人間兵器を作り出すクスリだった!
そのクスリの力とは“臭い”。
彼に近づく者は皆、鼻をねじ曲げ死んでいく…。
その様は滑稽としか言いようがないw
特に序盤で助けに向かったカメラマンが事切れる瞬間の表情は最高w
戦車や戦闘機で攻撃する辺りからは、完全に怪獣扱いされてる。
その割に「やっぱり俺を捜してるのかなあ…?」なんて、自分が事件の中心だとあまり考えていない主人公。
その辺のバカさ加減がいいね。
細かいことは気にせず笑いましょう。
オチもベタベタだしw
第3話「大砲の街」。
ようやく大友演出の登場です。
これは実験アニメで、どれだけシーンを切らずにワンカットで表現出来るかと言うことに腐心してます。
話は盛り上がりもなく進んでいくので、話として面白いわけではないです。
雰囲気と演出を楽しむ分には良いと思うけど。
ただ、主人公の少年が父親に「どこと戦争しているの?」と聞いても親が答えらず「もう寝なさい」というシーン。
日常的に大砲を撃つことで麻痺しきっているその世界が、なんだか世の中の風刺に聞こえてひどく怖かった
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