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絶海の孤島で発見された小美人。
日本に連れ去られた小美人を追って、モスラが日本へ迫る。
蛾を怪獣にしようなんて発想はどこから出てくるのかなあ。
初登場以降、モスラは平和を象徴するような怪獣になっていくけど、一般的に人類の脅威になりがちな怪獣のイメージからすると異色な感じ。
まあ、本作でも怪獣として街を破壊しまくることには違わないが、小美人を追うというモスラ側の動機と人類側にある原因を考えると同情的にはなるよね。
怪獣映画初の東宝スコープ(シネスコみたいな画角)による作品でもあるけれど、ラストに地上に着陸したモスラの場面を観ると、横に長い翅を収めるに良い効果を出していたように思う。
そういえば東宝の怪獣映画と言えば思い浮かべる“メーサー兵器”の原型みたいな「原子熱線砲」が劇中に登場してたけど、「これが原型かあ」と思うとニヤニヤしてしまった。
ストーリーは、孤島の探検や小美人を見せ物にしようという部分などで「キングコング」の影響があるかな?
一応「ゴジラ」と同じく水爆実験による“放射能”に対する嫌悪感も描かれてはいるけれど、この辺はだいぶサラッとしている印象です。
小美人をさらってきたらもれなくモスラが付いてきたというのがヒネリのある部分で、いずれにせよ怪獣を通して人間のエゴが描かれた作品だとは思うけれど、アプローチが違うよね。
演出はいかにも昔の邦画という感じではあるけれど、一応コロンビア映画との合作ということもあってか(悪役ではあるが)外国人の役どころも結構大きい。
でもその国名を「アメリカ」とはせずに「ロリシカ」としたところは色んな配慮があるのかも…?
どこからどう見てもモデルはアメリカなんだがw
全体的にはフランキー堺の軽妙な演技が効いていて、あまりシリアスには落ち込まないのは悪くないか。
リアリティよりも活劇的な面白さで言えば本作にとっては良い部分でもあるけれど、リアリティを薄くしている感じもする。
しかし本作にしても「キングコング対ゴジラ」にしても、この当時の“原住民”のイメージってどこから来たんだろうかねえ?
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