シネつう!
JAPAN STYLE !!

ミュージアム
2016年制作

満足度:

巴亮介の同名漫画を原作にしたサイコサスペンス。
雨の日に現れる猟奇殺人鬼“カエル男”。
警視庁捜査一課の刑事である主人公は捜査を進めるが…。

原作は未読です。
意味深な刑罰を模した連続猟奇殺人と、それを追う刑事。
設定だけ聞いたらハリウッド映画の「セブン」を思い浮かべないわけにはいかないが、実際に観てみると個人的には「SAW」の方が近いのかなあとも思った。
確かに前半は「セブン」なんだけど、犯人の美意識や背景が見えてくると「SAW」になってくる感じ。
特に主人公の監禁と半分ゲームの様な選択を与える点でもね。
まあジグソウの様に犯行の意思として意味を考えさせる部分が無かった分、底は浅くはなってしまったけれど。

ジャンル映画としてはどうしても比較作品があるので不利な反面、伏線や謎解きを軸にして犯人とのニアミスといったお約束も守りつつ進行していくので、エンタメ作品としては普通に楽しめたかな。
まあ気づきが段取り良すぎと思わなくもないけど、そこは尺の関係もあるだろうからw
ただ、個人的には「この先悪いことが待ち受けている」感じがもっと欲しかった気はする。
ハンバーガーのくだりももう少しタメがあればなあ…さらに嫌な感じがしたのに。
割とすぐに母子の生存を明かしちゃうもんだから「やっぱり助かるのかねえ」と思ってしまって、主人公が体験するような絶望には届かなかった。

そんな感じで内容は可もなく不可もなくなサイコサスペンスだなと感じたのだけど、演者がみんな達者なので、ハッキリ言ってそれでもっているよね。
主役の小栗旬はなかなか良かったし、妻役の尾野真千子も終盤の慟哭はさすがな感じ。
カエル男役の妻夫木聡もサイコな犯人をやりきっていて、好感持てます。(役には共感しないけどw)


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