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劇場版「名探偵コナン」の第1作。
街で連続放火事件が起こる中、高校生探偵の工藤新一あてに爆破予告の挑戦電話がかかってくる。
黒の組織のせいで今や小学生の姿となってしまっていた江戸川コナン(工藤新一)は、その事件解決のために奔走するが…。
オープニングに「見た目は子供、頭脳は大人」の背景をダイジェストで説明してくれるので、一見さんでも安心ですねw
TV版(または原作)を観ていれば周知の事実だけど、劇場版としてはそれらを観ていない親御さんへの配慮もバッチリ。
作品としては子供(中高生くらい?)向けの分かりやすさがありながら、犯人からの謎かけとその解に一定の説得力もあって一緒に観るであろう親たちでも楽しめるエンターテイメントになっていると思う。
まあ推理モノとしての完璧さを求めてしまう作品ではない…という前提はあるけどね。
というのは、「犯人側は阿笠博士の作る発明品のような突飛なガジェットを持っていない」という暗黙の前提に立っていないと成立しないので、そういう意味ではフェアな設定ではないわけだし。
と、そんな無粋な事を言ったら楽しめないので、その辺は“お約束”として観ないといけませんな。
本作の犯人については、“森谷帝二”なんて“モリアーティ”をもじった人物が出てきた時点でその人しかありえないわけだけど、そうなると犯人捜しよりもその動機や仕掛けの意味を考える方がメインの話かな。
そういう意味では前振りと回収がしっかりしているので観ていて納得はしやすい。
(動機に対しての行動の内容が極端な気はするがw)
脇道と思われた事件が実は繋がっているあたりも小気味良いし、展開にスピード感もあるので素直に楽しめました。
事件を起こして目的をカモフラージュなんてのは推理モノの鉄板だけど、電車が60km以下で爆発なんてのも「スピード」(1994)からの引用だし、クライマックスにはこれまた「ジャガーノート」(1974)以来の鉄板となった爆弾解除の切断コード選択を入れてきたり、手を変え品を変えの詰め込み感はすごいが。
最後に選んだ(切らなかった方の)色の理由、いいオチだと思いましたぜw
シリーズでレギュラーキャラになる白鳥刑事は本作品で初登場。
毛利小五郎にずっと怪しんだ目で見られていたりして面白いけれど、レギュラーキャラになることを知らない前提で見ればちょっとしたミスディレクション役も担ってるわけですな。
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