シネつう!
JAPAN STYLE !!

名探偵コナン
世紀末の魔術師
1999年制作

満足度:

劇場版「名探偵コナン」の第3作。
ロマノフ王朝の秘宝“インペリアルイースターエッグ”を狙った怪盗キッドの予告状が警察に届く。
コナンたちはその予告された場所である大阪へと向かうが、それは一連の事件の始まりに過ぎなかった。

タイトルの“世紀末の魔術師”を怪盗キッドの事と思わせておいて、本当の意味は別にあるという展開はなかなかニクいな。
コナンの正体が蘭にバレそう、というかもうギリギリバレている状態でラストにキッドから助け舟を出される展開もニクいw
という事でピンポイントで見せる小洒落た演出はなかなか気に入りましたよ。
ただ肝心のミステリーとしては、話の流れがイースターエッグの謎を解くのが主眼なのか、スコーピオン探しが主眼なのか、怪盗キッドの行動が主眼なのか、そのへんをワザとブレて観せている様な気もして、中盤までなんだか煙に巻かれている感じもしたかな。

全体的には大阪編、船上編、城編の三部構成のようになってるけど、大阪編は服部平次や中森警部の劇場版での顔見世的な意味合いが強い感じ。
船上編以降に服部は出てこないし…。
一時容疑者になる西野という鈴木会長の秘書も船上編までで退場。
そんな具合に少々キャラの出入りが激しいのも、誰がキッドの変装かという目で観た時に煙に巻かれている感がする所以。
まあそれは白鳥警部が出てくるまでの事ではあるが。

そういや大阪編では名所が次から次に出てくるけれど、そこによみうりテレビ(「名探偵コナン」の制作局)の社屋がちゃっかり映り込んでいるのはご愛敬w

終盤の城編ではからくり仕掛けの多い城でのアドベンチャー映画チックな展開に。
建築されたと思われる時代に対して若干オーバーテクノロジーな仕掛けに思える部分もなくはないが、まあそこはロマンの範疇にいれるとしても、秘密の地下室などを作るといった部分は「どうやって秘密裏に…一人で建てた…?」などという方が不思議に思ってしまったのは内緒。
そこはこの話の本質ではないので、そういうものだとスルーするのが吉か。

クライマックスでの推理ショーの部分を1作目(犯人のボロ出し)・2作目(眠りの小五郎)に対して、本作ではコナンと犯人との直接対決にすることで作品的な差別化できているのは良いですぞ。
お約束の「江戸川コナン、探偵さ」という決め台詞を炎をバックに言わせるとは、ケレン味にあふれてますなあw


もどる(「名探偵コナン」シリーズ)

当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01