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劇場版「名探偵コナン」の第5作。
西多摩市に建った日本一のツインタワーを訪れたコナン一行。
その一方、黒の組織のジンとウォッカもある目的のため、そのビルへと向かっていた。
前作公開後に白鳥警部役の塩沢兼人が亡くなり、本作から同役が井上和彦に交代しましたね。
塩沢さんの雰囲気を上手く引き継いで白鳥警部を演じる井上さんはさすがです。
今回は少年探偵団がメインの回かな。
少年探偵団の話がメインだから…というわけでもないのだろうが、光彦と歩美の恋の話は微笑ましい。
蘭じゃなくても思わず優しい目になってしまいますなあ。
それはともかく、クライマックスで車を飛び出して灰原を助けた元太の行動力は漢だと思いましたぜ。
ストーリー的には推理劇もそこそこにパニック映画的な趣の強い感じだけど、前作までは冒頭で言及されるのみだった黒の組織が、ついに本格的な映画本編への登場を果たして話を動かしてくれます。
舞台となるビル火災の仕掛け人でもあるし、順番に退路を断っていくあたりも「黒の組織」というキャラクターを上手く使って展開を調整している感じ。
髪形を変えた園子をシェリー(灰原の元の姿)と見間違えて狙撃するシーンは面白かった。
コナンの「園子ねーちゃん!パンツ丸見え!」で避けるのかw
一方、序盤で描かれる灰原の電話のくだりは、「裏切ったのか?」と思わせるにはちょっとワザとらしさの方が鼻に着く演出だったけども…、まあ灰原哀というキャラクターの陰を垣間見せるにはありなんだろうかね。
さて「推理劇もそこそこに…」とは書いたけど、実際に本作のメインがパニック映画的なところがあるせいか、殺人のトリック的には大したものではない(と言ったら語弊があるが)小ぢんまりとした印象で終わってしまった感じ。
とは言いつつも、殺人事件の方の犯人はあまり考えずに観ていたせいか、ネタ晴らしの段階で「おーなるほど」と素直に受け取りはしたのだけども。
で、メインディッシュの方は…完全にアニメで「タワーリング・インフェルノ」をやってる感じで面白い。
火災の描写はなかなか気合が入っていたようにも思うし、なかなか楽しめました。
途中、コナンを抱えた蘭が消火ホースでぶら下がっての脱出を見せるけど、あれは「ダイ・ハード」のパロディだろうか。
何となく親世代への目配せを感じますぞw
しかし2001年の4月に公開されたこの映画、ツインタワーの大火災という描写を考えると、もし映画公開の半年遅かったらアメリカ同時多発テロ事件の影響でどうなってたか分からないようなネタだったよなあ…と思いながら観ました。
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