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劇場版「名探偵コナン」の第10作。
依頼人に呼ばれて横浜へと出向いた毛利小五郎一行。
しかしそれは蘭や少年探偵団を人質に取り、毛利小五郎に事件の真相を暴くことを強要するための罠だった。
小出しにヒントが出される中、12時間後のタイムリミットが迫る。
観た感想を正直に言うと…回りくどい(苦笑)
これまでの映画は手を変え品を変えながら、マンネリにならない様にパターンを考えて楽しませようという気概も感じたけれど、本作は劇場版10周年という事もあってか、なるべく多くのキャラを登場させることばかりに気が向いてしまっている印象。
本筋自体は段取りの様な展開…というか本当に依頼主の段取りで話が進んでいるだけなんだけど、依頼主の「仲間殺しの犯人が自分であることを探偵に証明させたい」という目的に対して手段が回りくどすぎて共感しにくいのが難だよね。
真相がまた、依頼主の犯罪者としての器のショボさを強調してしまっているし。
怪盗キッドが白馬探に化けていた中盤は、なぜキッドがあの形でコナンや平次と合流する必要があるのかの合理性がいまいちよく分からなかった。
美山ビルの話だけで考えれば、その前に白昼姿を現していた時点で目的は達していたはずなので、その後にコナンと合流したのは完全に彼らをフォローするためってこと…?
だとしたら良い奴だなあって感じだけど、観ているこちらとしては結局色んなキャラを出すための御都合にしか感じられなかったし…その辺が今一つかなあ。
あと…並行して描かれる遊園地での出来事が、あまり本筋と関わりのない危機で話を煽るためだけに設定した展開に見えるのも乗り切れなかった部分。
途中、灰原の「この演技疲れる」のシーンは面白かったけど、そのあと元太が唐突に一人でコースターに乗りに行くというのも不自然な感じだし、ひったくり犯との追いかけっこも最後は偶然園子が背後に立ってるとか…オチが安直過ぎませんかね。
それでもこの映画で良いと思った場面もある。
クライマックスで、もはや時間切れの爆発を覚悟した大人たちが真相を知らない子供たちのそばに寄り添ったところは良かった。
阿笠博士と目暮警部は真の保護者ですわ。
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