シネつう!
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名探偵コナン
戦慄の楽譜
2008年制作

満足度:

劇場版「名探偵コナン」の第12作。
堂本音楽ホールのこけら落としに招かれることになったコナン一行。
演奏家を狙った連続殺人事件が起こるなど周囲が騒がしい中、その公演の主役であるソプラノ歌手の命が狙われる事件も発生する。

つっけんどんだけど実はいい人なゲストキャラのソプラノ歌手・秋庭怜子が本作のヒロインかな?
毛利小五郎や蘭、それに少年探偵団の活躍シーンはほとんどないので、どちらかというとレギュラーキャラは影が薄い感じだった。
その分コナンと秋庭怜子がメインで話を動かすわけだけど、全体的な展開はコナンらしいオーソドックスな推理モノになっていて、黒い人も序盤から大活躍(暗躍?)しているし良い感じではありますぞ。
劇場版ではシリーズ1作目からの常連だった脚本家・古内一成が3年ぶりに脚本に復帰したので、それもあって本作のオーソドックスな方向性になったのだろうかね?

個人的には前2作に比べると本作の方が良いと思うけど、ただ終盤の爆発に次ぐ爆発は逆にやりすぎというか…リアリティの面で無理を感じた部分はある。
音楽ホールの外側がバンバン爆破されているのに内部は気づかないとか…。
さすがに振動くらいは感じるでしょうよ、というかホールのスタッフが一人も気づかないとかあるの?
(好意的に解釈すれば、犯人である館長が事前にスタッフを人払いでもして内部への連絡を絶ったとか…?にしてもねえ。)
まあそうは言ってもこの話ではそういう状況になったのだ、という前提で観るしかないか。

犯人の人間関係を絡めた話の仕掛けについては悪くないと思ったのだけど、やはり犯行の手段が大掛かりな上に回りくどいのが気になるかなあ。
というか半分逆恨みみたいなところもあるし、無関係な人間を巻き込むにはあまりに身勝手な動機なのでちょっと引いた(苦笑)
絶対音感絡みのネタはどこかで聞いた様な話な気もするけど、音楽ネタの話としては「決まった音がキーになる」ことでクライマックスを盛り上げるという…、それこそヒッチコック映画の頃からの王道な展開ですなあ。
その割にいま一つ緊迫感が薄かったのは、それまでに爆発を重ねすぎたことと、次にその音が鳴るまでの明確なリミットが伝わりにくかったからだろうか。
そのへんは観せ方の問題もあるかもね?

ところで、コンサート直前に秋庭怜子が襲撃された時にコナンも一緒に気絶させられたけど、吹っ飛んだメガネをわざわざかけ直してボートに乗せて流すとは…なかなか律義な犯人だなあw
あと、秋庭怜子の代役で歌った千草ららというキャラの境遇が、脇役とはいえちょっと気の毒に思えたのはここだけの話。


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