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ナイトメアと呼ばれる存在と戦う5人の魔法少女。
充実した時間を過ごす彼女たちだったが、その一人である暁美ほむらが世界の違和感に気づき始める。
ストーリーとしては完結しているTV版や劇場版(以降、前作)。
その後をどう描くかは簡単じゃないよなあ、などと思いながら観てみたらこれだ。
単純に続編にするなら、魔女が存在しなくなったその後の世界で魔獣と戦っているはず。
でも現れるのはナイトメア。
そして概念になったはずの鹿目まどかや、消滅したはずの美樹さやかが存在し…、これはパラレルワールドか??
でもそうではなく世界にちゃんと仕掛けがあって、これが実に上手い。
そこがもはや存在しないはずの魔女の結界内であることの暴露が、ほむら1人だけが真実を知り戦う前作までの踏襲になると思わせる展開を見せるけれど、…まさかの魔女化。
というか、すでに(完全ではないが)魔女なのだというその設定が、前作までと矛盾なく序盤の違和感をすべて内包させてしまうという…。
一見力技に見えて、何と計算高い展開かw
そして、本来ならハッピーエンドで終わっても良いくらいの場面で、さらにほむらの悪魔化には…心底驚きつつも感心した。
神と悪魔か。
全ての魔法少女に対する慈愛のまどかと、まどかに対する"愛"が全てのほむら。
前作との対としても、ほむらの物語としても個人的にはこれで完璧だと思う。
続きを匂わせる終わり方ではあるけれど、この観た者にその後を想像させる余地を持たせたのが良いとも思ったね。
作品としては[完結編]としていないけど、個人的にはここで終わりで良い。
そもそもがほむらが繰り返し同じ時を闘い続けた話だったわけだし。
しかしキュゥべえは黒幕が似合いますなあw
"円環の理"を観測するための行為と語る場面は、SFとしての説得力と彼の行動の合理性が良く出ていると思う。
そういう部分もちゃんと「まどマギ」の世界観としての厚みだと思いますわ。
作画は相当に気合が入っている。
マミさんとほむらのガンカタが白眉だけど、5人に見せ場を作っているところが良い感じ。
それにしても絶好調のマミさん…マジで強いよなあ。
妙に不気味さのあるピュエラ・マギ・ホーリー・クィンテットの変身シーンも、あれは違和感と共にいい塩梅でした。
名乗りは笑った、あれもマミさんの趣味なんだろうけれどw
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