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西原理恵子の同名マンガを原作にした実写版。
サイバラ家で繰り広げられる日常と、夫であるカモシダとの別れを描いたドラマ。
マンガを実写にするというのはその作風の再現が難しいが、この映画は思い切って雰囲気から作り替えた、という感じ。
基本的に原作から集めたエピソードで構築しているものの、サイバラマンガのテンションも間も毒気も薄味で、とある家族とその夫婦の話といった趣が強い。
まあ完全デフォルメの原作をそのまま実写に落とすことは出来ないだろうから、その辺はリアルに落とし込むための工夫なんだと受け取ってますが。
でもそのせいか、カモシダのアルコール依存症、離婚、死別を語るには話が重くなりがち。
確かにウェットな部分の「毎日かあさん」にはこういう部分もあるけど、あのマンガはそれが全てではなく、それでも客観的なギャグ性が入り込んだりするところに、西原さんの強さが感じられて良いのだけどね。
だから、そこが全体的にリアルに寄っているせいで、ウェットすぎて重く感じてしまう作品になってしまった。
そんな気がする。
そういうこともあって、これは同名の作品だけれどもあくまで別の、家族ドラマの映画なんだと思わないといけないのかもしれない。
そう思って観れば、どうしようもない夫でも、離婚しても離れずに、お互い心で繋がって最期を迎えられたカモシダのドラマとしては良くできていると思うんですわ。
…サイバラ家のドタバタ話を観に来たはずが、いつの間にかカモシダが主人公の人間ドラマを観せられていた。
そんな感じのする映画ではあったけど、作品単体で観れば悪くはないと思ったのは事実です。
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