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第二次大戦末期、日本海軍の潜水艦・伊77潜と米駆逐艦との戦いを描いた戦争ドラマ。
原作は池上司の「雷撃深度一九・五」で、映画ではかなり脚色されているらしい。
俺は原作を読んでないので映画だけの話になるけど、ストーリーが青臭くって全然感情移入できなかった。
ヒューマニズムを声高に訴えている制作者の顔が、まるで透けて見えるかの様な脚本に閉口ですよ。
まあ主張の内容がごもっともだったとしても、ひたすら説明台詞で分かりやすく構築している演出もどうにかならなかったものか…。
展開は全体的に過去作品で使い古された手法であり、ある意味戦争映画・潜水艦映画の王道とも言える。
でもそのお決まりのパターンに添える要素に魅力が無く、制作者の傀儡と化したかのような艦長の振るまいが、まるで現実感のない人道主義者のようであの時代のものとは思えない。
こざっぱりして清潔感すら感じる潜水艦内のセットもリアリティがないし、ハーモニカを吹くわ、差し迫った状況で「飯を食おう」と言うわ、緊迫感も希薄。
リアリティがないにしても、「ローレライ」の様なSFファンタジーにもなっていないから質が悪い。
冒頭から終盤まで、始終「テレ朝でやっているドラマみたい」という思いが頭から離れませんでした。
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