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秀吉の小田原攻めに際して、石田三成が北条方の忍城を水攻めにした史実を基にした戦国時代劇。
"のぼう様"と領民に慕われた城代・成田長親は、3千の兵で2万の豊臣方と対峙する。
主人公・成田長親を演じるのは野村萬斎。
武がモノを言わせた戦国時代にあって、ちょっと変わり者の"のぼう様"を演じるにはこれはピッタリな配役だった。
武士らしからぬ愚鈍な印象から"でくのぼう"の"のぼう"と呼ばれているわけだけど、実は誇り高く、王道の何たるかを知っている人物として好感のもてるキャラクターだったと思う。
リアルな人間ドラマというより、エンターテイメント傾向な作品なので、多分に誇張された部分もあるけど、これは観ていてスカッとする時代劇だったと思うね。
脇を固めるのは、親友で家臣の正木丹波役に佐藤浩市。
そして大谷吉継役に山田孝之。
この二人は主役に次いで存在感もあるし、格好良い。
山口智充はちょっと作りすぎじゃないかという演技だけど、まあw
逆に甲斐姫役の榮倉奈々に姫のオーラは…はちょっと時代劇には合ってないような気も。
演出がエンターテイメント傾向というのは、水攻めのシーンに代表されるように、かなり誇張が強いと感じる部分。
ただ秀吉の備中高松の水攻めがオープニングにあり、そこで三成が見たインパクトのある光景を焼きつかせねばだし、そう考えればこの映画のウソは大いにアリだろう。
その辺はW監督の一人・樋口真嗣の趣味性も感じる部分だしね。(光景は「日本沈没」そのもの)
雑賀衆のスナイパー種子島もウソだよなーw
ドラマ部分はもう一人の監督・犬童一心で、スペクタクルシーンは樋口真嗣という按排で撮られたと思われるけど、この映画はそのW監督がうまくマッチしたんだろうな。
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