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連続爆破犯のアジトを急襲した刑事は、そこで感情のない青年を逮捕する。しかし精神鑑定を進める内、彼が犯罪者を殺しまわっていた事実が判明するが…。
首藤瓜於の同名小説を原作にしたミステリーアクション映画。
邦画のエンターテイメント系作品にしては容赦なく登場人物が死んでいくのだけど、その勢いは悪くない。
"脳男"という設定も面白いし、松雪泰子演じる精神科医の最後の無力感も突き放していて、話の畳み方についても俺は好み。
法を越えた正義の制裁というテーマはデリケートな題材である部分もあるけど、どちらかというと観ている側の感情で「悪は殺せ!」という方向に振りきれるので、テーマとしてそこに深くは踏み込んでいかないかな?
しかし、観ている側は感情的になるのに、主人公には感情がないとは、なんとも興味深いw
ただミステリー部分のキモとは言え、"脳男"の出自について時間を割いて丁寧に説明しすぎているような気もするし、もう少し演出でその辺は工夫してほしかったと思う部分もある。
敵側が同じような欠落者で、共感から興味を持って襲撃してくる…という流れはまだ良いのだけど、ここは逆に背景の掘り下げが浅いようにも感じるところ。
そもそもキャラクターがちょっと見た目に頼ってしまった感じがなあ。
「ドラゴン・タトゥーの女」の様な感じの割に、それほどのインパクトがあるわけでもないし。
"脳男"を演じるのは生田斗真。
感情表現の有る無しは類型的だと思うけど、分かりやすくて良いんじゃない?
ラストの笑顔は感情が芽生えたとも、それすらも計算だとも取れる感じでなかなか。
松雪泰子は常に眉間にしわを寄せてたなw
有能そうであり、苦労してそうであり、といった雰囲気はやっぱりうまい。
勢いで行くタイプの刑事を演じた江口洋介もハマっていたと思うよ。
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