シネつう!
JAPAN STYLE !!

ローレライ
2005年制作

満足度:

新型索敵装置“ローレライ”を装備した伊507潜最後の戦い。

“潜水艦映画”というのは、大体ある程度筋は決まっている。
爆雷から逃げ、圧壊深度との恐怖と戦い、艦内で反乱が起こり、仲間を犠牲にして場を乗り切る。
違うのはそれが勝者か、敗者かの違いかな。
でも、それが同じ話なのではなく、独自のプロットが絡むことでどんどん面白くなるわけだ。

この映画の場合、まさに“ローレライ・システム”が驚異の性能を持っているわけで、普通ならその装置を巡る攻防戦で終始するはず。
でもこの映画の面白いところは、その潜水艦が“第3の原爆投下を阻止する”ことを最後まで使命として考えていて、“ローレライ”自体が敵に渡ることにはこだわりを持っていない。
そこがまさに“日本的”で好感が持てた。
“負けた国”だからこそ、“守らなければならない”という映画が撮れるんだろう。
ただ、脚本として細かいところにツッコミがないわけでもないけどw

特撮はさすが樋口真嗣監督といったところ。
「ガメラ3」でも驚いたけど、この映画もかなりのクオリティだった。
海の中が全体的に明るいのはご愛敬だけど、海戦シーンなんかは実に迫力があっていい。
B29は本物に見えたなあ…、ミニチュアとは思えん。

この映画は第二次大戦モノであっても、SFであってファンタジーな作品。
役者が旧軍人っぽくなくたって全然気にならないw
艦長の役所広司はこの世界観にあって最高のキャスティングだった気がするね。


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