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劇場版「ルパン三世」第十作。
ナチスが追い求めたお宝のありかを記したとされる「ブレッソン・ダイアリー」。
それを巡るルパン三世たちとナチス残党の攻防を描いた3DCGアニメーション。
山崎監督、2019年だけで3本も公開してるとけどどんなペースなんだ…と作品外のことで要らぬ心配をしてしまったw
何はともあれ、シリーズ初となる3DCG作品として鑑賞前にあった根拠のない不安に反して、内容的にはとても無難に“ルパン三世”の世界を描いていたのが自分としては楽しめました。
というか、思い出補正のある2ndシリーズ(赤ジャケ)や初期TVシリーズのイメージから逸れないように、台詞のチョイスやキャラのポージングなどに制作者はかなり気を使っている印象。
時代設定を60年代にしているあたりも、車やモブの警官たちのデザインに感じる「昔観たルパン」的な要素のためのチョイスだろうな。
だからこその安心感はある一方、展開はベタで意外性があんまりないし、謎解き要素はある様で全くない。
前振りが丁寧過ぎて、変装などの種明かしの驚きが薄くなってしまっているのもちょっと勿体ない気がするところ。
過去作をなぞって再生産しているだけ…とも言えなくもない部分もあるけれど、まあそこはそれ、3DCG版の初作品としては上手くまとめていて悪くないと思っています。
鑑賞中、「『ルパン三世』として十分楽しめた」とは思ったのでね。
欲を言えば各キャラクターの活躍をもう少し丁寧に用意してほしかったかなあ。
全員ちょっとずつ見せ場は用意されているけど、少し淡泊というか…。
ルパンたちと銭形が共闘するくだりもずいぶんあっさりと話が進んじゃうし…、テンポ重視だったのかもしれないけど。
他にも個人的にちょいちょい気になるところはある。
前述の通り60年代が舞台だけど、仮に原作が発表された頃に準拠しているとすると60年代後半なので、ゲストヒロインのレティシアは大戦中の生まれだとすると20歳前半から半ばってことになるはず。
一方でパンフには「考古学好きの少女」と書かれてたけど、それだと少女って歳じゃないだろうし、やっぱり60年代前半なんだろうか…?
この辺の60年代前半か後半かがハッキリしなくてモヤつく。
でも劇中にカップヌードルが出てきたことを考えると71年より後ってことになるので…もうわからん。
時代考証はずいぶんと曖昧だなあ、なんてことが気になってしまった。
まあ、ハッキリ言って本筋とは関係ないのでどうでもいいことですがねw
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