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「ルパン三世」劇場版第2弾。
世界中に流通するニセ札・ゴート札の震源地に潜入したルパン三世達は、そこで伯爵家に追われる王女・クラリスを助けることになる。
劇場公開時はヒットしなかったものの、今では名声と名高い宮崎駿監督の作品。
30年以上経っても色褪せない冒険活劇の痛快さは見事と言うほか無い。
ただ、これは“「ルパン三世」の皮を被った宮崎アニメ”という極めて監督の個性が出た作品であって、「ルパン三世」としては1作目の「複製人間」の方がイメージが正しいのだと思う。
でも、その宮崎監督の個性を絶妙な面白さで生かせているという点では、この作品は奇跡に近い出来映えなんじゃないだろうか。
それにしても展開が上手い。
ルパンの使う道具・変装・登場人物、それぞれに無駄の少ない前振りの後に本描写があり、テンポの良い見せ方が小気味良いね。
大司教への変装シーンでも運転手がさりげなく入れ変わっているし、ニセの指輪を作っているシーンだって台詞で説明はしないものの、しっかり後の展開の説明になってる。
“宝”の鍵である湖と水道橋の構造だって、進入路の説明で前振りをしてるわけだ。
繰り返し観た時に納得できる設定をさりげなく配置してあるところがニクいなあw
それ以上にアニメであることの動きの面白さも抜群の出来です。
水道橋で水流に逆らって泳ぐシーン、流れに関係のないところでしょっちゅう蹴躓く細かい小芝居、有名な屋根から屋根に飛び移るシーンのアニメならではのウソ。
もう動きが楽しいったらないね。
これはもうアニメ史に残る数々の名シーン・名ゼリフの固まりの様な作品であって、日本人なら間違いなく外せないアニメ、いや邦画の1本でしょう。
すばらしいです。
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