シネつう!
JAPAN STYLE !!

LUPIN THE IIIRD
次元大介の墓標
2014年制作

満足度:

劇場版「ルパン三世」第七作。
次元を狙う謎の暗殺者との対決を描く。

50分程度の中編作品ながら、ルパンと相棒次元のハードボイルドな「ルパン三世」を堪能できる良作。
キャラクターデザインはTV版スピンオフの「LUPIN the Third -峰不二子という女-」の延長にある作品で、これがまた作風にマッチしていていい。
後半の黒幕の種明かしが駆け足な印象だけど、終盤の山場を次元と殺し屋・ヤエル奥崎の対決に絞り、話を無駄に冗長にしなかった潔さは良かったと思う。
完全に次元の対決を描くための映画。
銭型警部はラストしか出ないし、五ェ門なんてワンカットの写真出演だけだもんなあ。

ハードボイルドとエロスという原作を意識した雰囲気は「LUPIN the Third -峰不二子という女-」と同様だけど、お色気面では全裸の不二子に迫る股間がドリルのロボットが登場して…って何のメタファーだよw
(股間がドリルって聞くと「鉄男」を思い出すけど、この場合は関係ないよな?)

一方でヤエル奥崎の狙撃能力についての種明かしは、ちょっと力技。
技術力があるからって監視カメラの映像を網膜に直接送るとは、強引な仕掛けだなあ。
サイボーグもので言うところのいわゆる「鷹の目」ってところだろうけど、一応時代設定は1960年代後半〜1970年代前半ってことらしいので、そう思うと相当オーバーテクノロジーじゃない?w

さて、そんな感じで短い時間ながら良いテンポで駆け抜けた次元のスピンオフ。
このクオリティでまだまだ続きが観たいと思えるくらいにハマれましたよ。
どうしてもルパン三世はTV版の2ndシーズンや「カリオストロの城」の影響が強くなりがちで、それも良いけれど、こういうルパンもカッコイイ。
ラストに思いがけずサプライズ登場(良いファンサービス)したマモーには驚いたが、やはりこの作品が志向しているのは「カリオストロの城」ではなく「ルパンVS複製人間」だってことなんだろうな。


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