シネつう!
JAPAN STYLE !!

LUPIN THE IIIRD
血煙の石川五ェ門
2017年制作

満足度:

劇場版「ルパン三世」第八作。
剣の腕に驕っていた若き五ェ門と、そこに現れたルパンを狙う巨漢の暗殺者との対決を描く。

前作の「次元大介の墓標」と同じく50分程度の中編作品なので、非常にテンポよく話が進む。
暗殺者ホークとの戦いに敗れ、それまでの自信を木っ端みじんに打ち砕かれた五ェ門を描いた前篇。
そして修行の果てに悟りを開いた五ェ門は、再びホークと対決する…という後篇、ただそれだけ。
ホークの雇い主などの背景についてはルパンも少し匂わせる程度しか語られないし、ホークがいかにしてルパンを追跡しているかの説明も端折られていて、潔いくらいに五ェ門中心の話だったね。
だけど前作とは違って銭形も話にちゃんと絡んでいるし、五ェ門とルパンたちとの距離感も「ああ奴らってそうだよな」という感じがちゃんと描かれていて好感。
見守りはするけど立ち入らないルパンの姿勢、「これ以上は野暮だ」ってセリフが良いなあ。

舞台は日本の伊豆地方かな?
(「伊豆の青い稲妻」を自称する走り屋(モブ)が出ていたし。)
時代設定が60年代なので、登場する風景や小道具、そして車のデザインがことごとくいい雰囲気だった。
「次元大介の墓標」から引き続き展開される“小池ルパン”のデザインやハードボイルドな感じはそのままに、ルパン三世らしいノリもちゃんと融合されていて楽しめましたよ。

しかし前作のヤエル奥崎もそうだったけど、“強敵”というキャラクターの見せ方がうまいよなあ。
本作のホークも見た目はデカい木こりそのものなのに、まるでターミネーターかっていうくらいに周囲の障害をものともせず追いかけてくる俊敏なパワー系とは…。
これは怖いw
基本的に泰然とした態度を崩さないので、ますますターミネーターの様に感じてしまうけど、だからこそ最後の決闘で五ェ門の反撃に動揺するところが映えるわけだ。

ホークとの決着のつけ方も良かった。
剣豪は刃を交えなくても相手に敗北を悟らせる、か。
五ェ門かっこいい!…しかしそれまでに薄皮一枚どころじゃないくらい削られているのが本当に大丈夫なもんなのか、すげー心配になるw

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