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劇場版「ルパン三世」第九作。
ある企業から5億ドルを横領した男・ランディ。
メイドとして、心臓を患っている彼の息子・ジーンの面倒を見ていた峰不二子だったが、そこへ企業の追手が殺し屋ビンカムを連れて現れる。
「LUPIN THE IIIRD」シリーズとしては第3弾。
「峰不二子という女」というTVシリーズの流れを組む作品でもあるので、スピンオフの主役としては不二子は2回目の登板といった感じかな。
このシリーズ、相変わらず50分程度の中編作品としてストーリーがよくまとめてあるのが良いなあ。
話に全くダレがなく、それでいてキャラクターの魅力はバッチリ描かれていると思う。
まあ尺の関係もあってか今回は五ェ門も銭形警部も登場しないけど、あくまで不二子を中心にした出来事にフォーカスさせることで話の発散を防いでドラマに厚みを出せているし、この場合は登場キャラを絞った割り切りは正解だわ。
(そういう意味では「次元大介の墓標」に近いね。)
「峰不二子」といえば“女”を武器に男を操る魔性の女の代名詞だが、本作でもその要素を存分に発揮している。
というかまさに“不二子ちゃん”という裏も表もある感じや、子供に対して隠れ見える情の部分などがとても魅力的。
今回は1vs1のバトルも見せるし、そういう意味での強さも格好いい。
そして何よりルパンとの関係性だよね。
腐れ縁っぽい感じの会話の中で、不二子の「ルパンという男を信用はしてるが仲間ではない感じ」とか、ルパンの「不二子に対する想い通りにならないのを承知で関わり合ってる感じ」とか。
ラストの二人の会話も良いんだけど、終盤手前のバーで「らしくないじゃないか」からの「どちらに賭ける?」の会話の雰囲気がとても好き。
会話と言えばルパンと次元。
今作でもタバコがいい味を出している。
「次元大介の墓標」では仕事を終えた後の一服が名シーンだったけど、今回は儲けにならない仕事をほだすアイテムになってるのが良い感じだ。
それにしても、ここにきてこれまでに登場した殺し屋の背景が繋がり始めてきたけど、これには今後の展開に思わず期待してしまいますわ。
アダルトでハードボイルドな感じの「LUPIN THE IIIRD」シリーズ…、この小池ルパンにはずっと続いていってほしいと思える魅力があるよね。
2年に1作品でも全然待てるので是非とも次回作に期待したい!
もどる(ラ行)
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