8
若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2013」の一作として制作された25分のアニメーション作品。
子供の頃に憧れた魔女に憧れ、魔法学校に入った主人公が巻き起こす騒動を描く。
「アニメミライ」という企画自体が25分枠で1本なので、それで話を纏めるとなるとなかなか脚本に苦労が要るのだろうな…というのは、2010年度から2014年度の作品(20作品)を観てもいつも感じるところ。
そんな中でも2012年度にTRIGGERが製作したこの「リトルウィッチアカデミア」は頭一つ抜けた完成度だったと思う。
分かりやすいストーリーにキャラ立ちした主人公と仲間、よく動くアクション。
アニメーションらしい表現が25分の間に色々と盛り込まれていて楽しい。
まあキャラクターはある意味王道で、目的がハッキリしていて感情に突っ走る主人公、大人しめで主人公のセーブ役な友人と、皮肉屋な感じの友人、そしてライバル(?)的な優等生という配置。
そういうステレオタイプなキャラ設定も尺の中で話を進めるためには有効だし、実際「ああこういう役目のキャラね」とすぐ理解できる訳で、余計なキャラの説明が不要になるというメリットを最大限活用している。
まあそれには観客側のリテラシーというかある程度の共通認識も必要になるわけだが、「アニメミライ」を観る層には分かるだろうという作り手の期待もあるか。
魔法学校という部分には「ハリー・ポッター」的な世界観の借用もあるだろう。
何にせよ尺の制限の中で主人公の動機と活躍、ちょっとした伏線と回収、説明しきらないまでも感じさせる世界観になっている按排が非常によろしい。
アニメ的なデフォルメにも勢いがあって楽しい、吉成曜はホントに初監督?と思ってしまうw
「フリクリ」「天元突破グレンラガン」といったガイナックス作品に携わっていた雰囲気も随所に感じるが、この作品の様な勢いを“吉成監督の作風”としながら突き進んで行ってほしいなあ。
もどる(ラ行)
当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01