シネつう!
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リトルウィッチアカデミア
魔法仕掛けのパレード
2015年制作

満足度:

若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2013」の一作として制作された「リトルウィッチアカデミア」の続編。
相変わらず魔法学校で騒動を起こす主人公たちだったが、罰として他の問題児たちとふもとの街で行われる魔女パレードに参加することを命じられる。

1作目の評判を受けてクラウドファンディングで製作された続編であって、ファンの力によって作られた作品でもあるという部分に前向きなものを感じたい。

さて映画としては前作の様な尺の制限から解放されたわけだけど、それも55分の中編作品。
キャラクターにもう少し踏み込んで描く余裕は出ているけれども、そこまで(例えば世界の崩壊の様な)大仰な風呂敷の拡げっぷりはしないので安心して世界観を楽しめる。
そういう意味では1作目を観て観客が期待する続編としての方向性は合っているだろう。
ただ、キャラクターの性格に踏み込んだ分、ちょっと先鋭化しすぎて特に主人公の空気の読めなさがウザったく感じてしまったのは残念。
まあ「喧嘩と仲直り」というステレオタイプな物語としての狙いは理解できるのだけれど、大人しい友人が割を食っていることへの同情よりも、主人公への嫌悪感が先に来るとちょっとマズイわけで。
その部分は、少しきわどかったかなあ?

アニメーション表現としての動かしっぷりは前作同様安定してよく出来ているし、デフォルメ具合もカートゥーンの面白さを感じされる部分が楽しい。
若手育成企画から解放されている部分では今石洋之やすしおの参加にもつながっているのだろうけど、ラストバトルでの敵の造形なんて完全にグレンラガンで、話とは違った部分でニヤニヤしてしまったw
ただ、個人的にはバトルの締めは前作同様に花火にしてほしかったのだけど…、それが無かったのはちょっとカタルシスが足りない…かな?
あとは先生の魔法メガホンがちょっとくどい。
前作は「何かやるぞ!?」と思わせて「メガホンで『避難しなさい』と言うだけ」というオチが面白かったけど、あんまり多用すると鮮度が落ちますわな。

まあオリジナル作品として、1作目を観て期待した世界観をそのままに続編を作ってくれただけでもうれしいところです。


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