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多い未来、惑星を股に掛けたルール無用のカーレースの祭典"REDLINE"に挑む男の姿を描いたアニメーション作品。
オープニングでいきなり準決勝の"YELLOWLINE"のレースが繰り広げられる…が、これが初っ端なのにとんでもなく凄い。
ものすごい圧力で迫ってくる絵、動き、スピード!
メリハリのきいたキャラクターデザインは一見するとものすごく堅そうなのに、こいつらがとにかく動く。
動くと言うよりも歪む、誇張された空間と言うか…、いわゆる金田パース的な感性と勢いに裏打ちされた動画表現の一つの極致を見せられた気分。
とにかく吹き飛ばされそうなくらいの絵の圧力に参ってしまった。
ストーリー自体はほぼ一直線で、何の衒いもないまっすぐな男の話。
この風貌でスカした奴なら嫌味きわまりないが、これが結構純情な男というのが見た目とのギャップもあって面白いし共感出来る。
よく考えてみれば、「ツッパリ風だけど純情」というのは昭和漫画(アニメ)のお約束のような気もするし、そういう意味では他にも昔のアニメにあった雰囲気がオマージュとして端々に感じられる作品かな。
主人公・JPの声は木村拓哉。
これが意外にキャラクターに合っていた。
まあ、時々キムタクの顔が透けて見えなくもなかったけど、声が見た目のイメージではなくて、性格というキャラクターに合っていたのは事実。
大してヒロイン・ソノシー役の蒼井優はごく自然で、声の演技は上手い。
世界観的にはどこか別の星…、それこそ非人間ばかりの世界という見た目の説明以外はほとんどないので、細かい事はよく分からない。
"REDLINE"という最高峰レースがあるらしいとか…舞台となる「ロボワールド」にはなんだか悪そうな大統領がいるな、くらいのもの。
それは動きを絵で見せると言う目的のための舞台装置であって、この作品の中に限ってはそういう役回りの"キャラ"でしかない様に思うが、話に勢いがあるのでこれくらいシンプルに見た目で行っても否定はしません。
まあ、裏設定はたくさんあるようで、唐突に古代兵器だの生物兵器だの、終いには法力で惑星間転送してコースが出来るとか…、どんどんよく分からない勢いで話が進んでいくのは驚いたけどね。
この辺は話の整合性とか、細かい事が気になる人には全く合わないかもw
あれだけ色々展開しときながら、ラストは、ぶっ飛んで、ゴールして、キスしてハッピーエンドなんて…、まあ昭和だ!w
兎にも角にも、絵が動く事の凄さがたっぷりと体感出来る作品でした。
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