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昭和15年の中国大陸で和平交渉の一行がテロ襲撃に遭う。
情報漏洩の実態を調査すべく主人公は上海へと向かうが…。
プログラムピクチャー化されたシリーズ3作目。
主人公・椎名の立ち位置は説明不要なので、事件のあらましを説明した後は話がテンポよく展開する。
監督は毎回変わっているけれど、このシリーズの特徴である地に足着いたスパイ映画という作風はそのままに、今回はよりTVで放送するような2時間のサスペンスドラマ…という感じの雰囲気かな。
舞台はいよいよ外地・上海租界での諜報活動と中共支配地域への潜入が描かれ、よりスパイ映画のフォーマットに寄って行った感じ。
まあ実際のロケは日本国内なんだろうけど、その当時(日中国交正常化前)にあって現地ロケも出来ない中、中国(主に租界)の雰囲気を出そうと頑張っている感じは分かる。
中国語台詞の多用もそういう雰囲気づくりの一環だよね。
(発音は…まあ置いておくとしてw)
このシリーズでは椎名役の市川雷蔵の変装も楽しみの一つかもしれないが、今回は中国人に成りすまして敵地深くへ潜入。
検問を聾唖のフリして抜けていくけど、耳元での発砲にも動じないという描写は「さすがは優秀なスパイ」の主人公といったところか。
それでも今作の椎名は序盤に賭博場で危うく見つかりそうになったり、終盤でも金庫の中身の収集で危機一髪だったりと割と危うい。
彼に関してはもうちょっと隙がない感じというかスマートな感じの方が格好いいと思うんだけど、ここはストーリーのハラハラ感を優先したのかなあ。
でもその分何だか平凡に感じてしまったかもしれない。
まあラストで女テロリストに「成佛」の札を返すシーンはシブいとは思うが。
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