シネつう!
JAPAN STYLE !!

るろうに剣心
2012年制作

満足度:

1994年から6年間週刊少年ジャンプで連載された同名漫画の実写化作品。
明治初期、幕末に"人斬り抜刀斎"と恐れられ、維新後は流浪人となった緋村剣心の戦いを描いた時代アクション映画。

日本のマンガの実写化作品は、得てして配役ありきと無駄な改変の残念な脚本になることが多く、あまり期待していなかったのだけれど…。
しかし今作は原作の雰囲気を上手く残しつつ上手く実写化したいい例になると思う。
もともと世界観的には時代物としての実写向きな部分はあるのだけど、キャラクターとしてのマンガ的なケレンも、荒唐無稽な必殺技もギリギリリアルな部分まで落とし込むことに成功しているしね。

ストーリーは東京編の恵のエピソードまでを適度に再構築し、ところどころ剣心の過去(人誅編)を混ぜた感じ。
剣心が人斬りを辞めた想いを滲ませることで、作品単体でのキャラの深みは出せているか。
剣心の佐藤健、薫の武井咲も割といい配役。
斎藤一の江口洋介はもうちょっとギラついた感がほしかったかな。
でも牙突の構えは悪くない。(飛んで行った先には意表を突かれたけど)
残念ながら弥彦、左之助は随分と簡略化されてしまったけど、これはまあ…尺の都合もあるし仕方がない。

それにしても警察署でのチート気味な鵜堂刃衛の強さにはワクワクしたなあw
吉川晃司は刃衛の割には少し顔が丸いけど、でも雰囲気は良かったよ。
あと、観柳を演じた香川照之ね。
彼の演技はフリーダム過ぎて実に面白く、一番マンガ的なキャラクターだったなあ。
さすがと言うかなんと言うかw

アクションシーンは前述のとおり、ギリギリリアルな線でマンガ的な派手な動きを描いていて痛快。
「ボーン」シリーズにも通じる細かいカット割りがスピード感を強調していていいね。
特に剣戟だけでなく、無刀時の体術演出が只者ではない感じを上手く出しているかと。
リアルさを出す一方でマンガからの引用もしっかりしており、牙突、双龍閃、背車刀にはニヤリとしたw

このクォリティなら続編として京都編を観たい、とも思えるレベル。

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