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2013年に世界同時多発テロによって引き起こされた高層ビル爆破事件。
冷戦終結後、各々の居場所にいたゼロゼロナンバーサイボーグたちは、再びギルモア博士の下に集う。
神山健治監督の作品らしくポリティカルなSFになっているのだけど、同時に"神との対峙"という哲学的・宗教的テーマがかなり強く、一見すると押井守作品っぽい印象もあるかな。
まあこれは押井監督の弟子である神山監督の作品であるし、当初の企画では押井監督が撮るという話もあったようで、そうであれば納得の作風だったりします。
ただ、そういう作風であるので一般ウケを狙っているというよりは、神山作品のファンじゃないとちょっと大変かも?
世界観は緻密なのでハマればすごく見応えがあるのだけどね。
"神"というテーマは未完の原作に対するアンサーでもあるわけで、そういう意味では意欲的な作品でもあると思う。
3D作品として制作するためにキャラクターをすべてCGにした結果、原作のデザインイメージとは若干違うものになっているけど、それもまた挑戦の一つの結果か。
トゥーンシェードによるCGキャラのセル画調の見せ方は良く出来ているものの、でもやはりどこかCG然としていて気づけば気になる部分もある。
ジョーの髪型とかは本来は立体には向かないだろうからなあ。
それにしても、これだけ濃密なテーマと展開を上手く100分程度に纏めたもんだ。
個人的にはこれをもっと細かくTVシリーズで…、できたらCGキャラではなく手描き2Dで…と思ったりするところではある。
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