シネつう!
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『進撃の巨人』
〜クロニクル〜
2020年制作

満足度:

TVアニメ「進撃の巨人」の1期〜3期の内容をまとめた総集編。

総集編の劇場版としてはこれまでに1期分が前後編の総集編として、2期分が1本の総集編として計3本が公開されているけど、今回の総集編はてっきり3期分をまとめたものなんだろうと思って観に行ったらまさかの1〜3期分の総集編でしたw
数か月後に始まるファイナルシーズンの放送前の復習編ってところなんだろうけど、計59話分…本編部分だけを考えても1200分くらい?、さすがにこれを120分でまとめるにはキツいわ。

なぜ今までの様にシーズン単位での総集編でなかったのかはわからないけど、ファイナルシーズンからは制作スタジオが1〜3期のWIT STUDIOからMAPPAに代わるので、その区切りとしてWIT STUDIO分として纏めたって意味合いはあるのか?
でも個人的には今までのシーズン単位の総集編が良かったなあ。

これまでのシリーズをずっと見ていた人なら、名場面集として観られなくはない。
主にアクションシーンの見せ場や主要人物の背景は入っているようにも思うし、飛び飛びにだとしても全体の流れをつなごうという編集の努力は垣間見える。
場面の間の出来事を知っていて、それらを頭の中で整理することはできるならば復習には使えるかな。
でももしこれが初見だと、主要人物の立ち位置はともかく…特に3期あたりで描かれた世界の謎の一端についてはまとめ方が断片的すぎるので物語の根幹がさっぱり分からないんじゃないかって印象。
要するに、「こういう作風です」という紹介としてはありだけど、この作品が持っている世界観の深さは伝わり切らない感じの総集編。

そんなわけで、これまでの総集編と比べると個人的には不満な内容ではあります。
でも時間を10分の1に縮めてなお物語として伝えようとしているのだから、編集するのは大変だったと思う。
これだけ縮めるなら普通はストーリー部分を完全に放棄して、名場面のフラッシュバックで逃げるって手もあったかもしれないのに。

そういえばハンネスさんの声は放送時のまま1期部分は藤原啓治、2期部分は津田健次郎になってました。
作品の統一感として考えるのならば1期部分を津田さんに差し替えるという手もあったかもしれないけど、先日(2020年4月12日)亡くなった藤原さんに敬意を表して、これで良かったと思います。


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